春先に2本の映画を観ました
今年の春先は珍しくLGBTに関する映画が2本も、ほぼ同時期に上映されました。
『リリーのすべて』
『キャロル』
LGBTの映画が同じ時期に2本も封切りされるのは珍しいことだと思いましたが、同性婚を認める国が増えていますものね。
世界の流れを考えても生きづらさを放置しておくということが、誰に取ってもいい結果へつながらないということなのだと思います。
社会の常識と自分のありたい姿のギャップは、すべて生きづらさへつながります。
これらの問題は歴史を越えてずっと前から世界中に存在していて、学術的な研究がなされた年月の方がまだ浅い。
それまではただの「異端」「異常者」「厄介者」としてしか見られなかった存在だと感じます。
どちらも突然目覚めた人たち
この2本の映画の主人公もリリーはエリート男性として生きていたし、とても魅力的な画家の妻と幸せに暮らしていました。
ある日画家の妻の絵のモデル(女性)が急遽これなくなり、代理でリリーがモデルを務めることになります。
その際にストッキングを履くわけですが、これがきっかけで自分の生まれ持った性と、本来自分のありたかった性が違っていたことに目覚めるのでした。
一方キャロルも裕福な家庭の奥様で、可愛い娘にも恵まれていた貴婦人です。
ある日デパートの女性販売員である、アビーとの出会いで同性を愛する気持ちに目覚めたという話です。
リリーの舞台は1920年代で、実話をもとに作られた映画です。
またキャロルは1950年代が舞台となる話です。(余談ですが、この映画の出演者たちのファッションが秀逸です!)
これらを観て原点回帰に興味津々の私としては「私もいつ何に目覚めるかなど、わからないなー」と考え込んでいました。
私の現時点での恋愛対象は男性ですし、授かった性である女性として暮らし、女性の身なりで生きています。
けれども性の対象者は、かなり高齢になってからも変わることがあるそうです。
性に限らず誰もがまだ潜在的な欲求を隠し持っている可能性があると考えると「今の自分が本来の自分だ」と確定することはできないわけです。
そもそも人は変化をしていくものだから、変化を恐れるのですよね。
性も含めてなにかに目覚めた時に、本当の自分と出会うことができるのではないか?
リリー、キャロルどちらも本来の自分に目覚め、本来の自分で生きる決意をしたたときに命がけの戦いが始まります。
突き動かされて得ようとしても、それが前例の少ないものほど大きな苦痛やリスクを伴うのです。
実際『リリーのすべて』は世界で初めての性転換手術を受けた人の話を描いています。
リリーとキャロルの頑なさを見ていると、心に従って行動してしまうのは「ただ自分を生きるため」で誰かのためなどではないという大前提があります。
どちらの映画も「ときとして他人の人生まで巻き込み不幸に陥れてしまっても、得たいものの衝動というのは止められない」という葛藤が描かれていました。
生きづらさの大きさは、本来の自分とのギャップではないか?
生きづらさを作っている根源は、やはり育った家庭の環境が土台にあるということに疑いはありません。
けれどもそれは程度の問題であって、問題そのもののない家庭というのはあまりありません。
また生きづらさの大きさは、本来の自分とのズレの大きさだと思うのです。
スピリチュアルなことはわかりませんが、まさに魂からの叫びというか。
「本当の自分はこれではなーーーい!」と魂が怒り、泣いているのではないでしょうか。
生きづらさが大きければ大きいほど、いつか目覚めてしまう。
目覚めてしまうというより、長年目覚めたいと望む魂の叫びを「これだ‼︎」とキャッチするような感じでした。
そうしていざ目覚めてしまえば、選択肢は2つ。
死んだように生きるのか?自分の魂を生かすために一度死ぬような目に遭うのか?
人生観や死生観は人それぞれなので「どうすればいい」という答えは自分の中にしかありません。
誰の中にも「うすうす感ずいていた」という違和感は小さなころからあります
ギャップの大小はあっても、生きづらさがゼロの人はいないと思うのです。
2つの映画の主人公の目覚めはきっかけに過ぎず、ずっとずっと前から抱き押し殺してきた欲求ではないでしょうか。
ある人は体の症状が教えてくれたり、またある人は人や物との出会いなどを通して事件が教えてくることもある。
2つの映画の主人公は命がけの戦いを挑みますが、どちらも幸せです。
可哀想だとかみじめだと言っているのは、外野の人間であって本人たちは幸せです。
生きている間に「生きたい自分の姿」に出会えてその姿を貫く人生を、立て続けに観ることで「ないものねだり」ではなく「あるものねだり」の人生を私も選びたいと感じました。
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ではすっかり梅雨も明けましたので、楽しい週末をお過ごしくださいね♪
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