中学2年のときだった。
二の腕の湿疹がひどくなり近所の薬屋へ駆けんだ。
「かゆみ止めください」
と店主に頼んだ。
すると店主は
「薬で抑えても湿疹が出る原因は残っているのよ」
と言って当時はまだ珍しかったオリーブの
エキストラ・ヴァージンオイルで、
二の腕のマッサージすることを勧められた。
かゆいときは、かゆみ止めを使うと思っていたから、
私の顔はおそらく?????となっていただろう。
とても美しい店主だった。
肌が陶器のように白くきめ細かく、
日本人離れした目鼻立ち。
その人が
「このオイルを少しだけ手の平に取って、
ゆっくりと二の腕をマッサージしてあげてね。
そうすると、そこの血の巡りがよくなって
かゆみの原因を体から出してくれるから」
初めて入った薬局だったけど、その人は
「このあたりをあなたとお母さんが歩いているとき、
きれいな人だなって思いながら、
お母さんのことを見ていたのよ」
と私のことも私の母のことも知っていた。
「こんなに美しい人でも、
母のことをそんな風に見るのだな。
私はニキビも顔にあるし、母とは似ても似つかない」
あきらめに似た感情が出てきた。
するとその店主は
「あなたもきれいななお母さんの子供なのだから、
必ずきれいになれるのよ。
20代の美しさは10代で作られるの。
今かゆいのは体に悪いものが、たまっているっていうことよ。
かゆみを鎮めるだけではいけないの。
とても高価なものだから、お母さんと相談してきてね」
結局その高価なオリーブオイルは母から
「中学生には必要がない」
と言われ、買いに行くことはなかったけど(笑)
その言葉は今でもいろんな場面で役に立っている。
10代で食べていたもの、
10代で頑張っていたこと、
10代で考えていたこと、
ほとんどが20代で体にも
心にも成果が出ていた。
20代ではその成果をさらに深めたくて、
いろんなことに挑戦していた。
そうしてその成果は30代にきちんと出た。
30代から40代前半までは、
いくつかの勉強を深くする機会が与えられた。
今はその蓄積したものを、出すチャンスを与えられている。
もちろん10代でおろそかにしていたことは、
20代でツケが回ってきていたし、
30代でも同様のことが40代で起こっている。
50代を良きものにするのも、
悪いものにするのも今にかかっている。
これも最近聞いた話だけど、
いろんな年齢層の人たちと話す機会が多い人が言っていたこと。
「人生を振り返ると50代がいちばん楽しかった
と言うご老人は多いのですよ。
50代は子供も手を離れるし、まだ体も元気。
あるていどお金も貯まっている時期だから、趣味も充実する。
あとそれまでに蓄えていた生きるための知恵が、
いちばん充実している時期なのかもしれないですね」
と言っていた。
世代、世代でいろんな悩みが発生する。
それがいちばん軽くなるのが50代なのだろうか?
これを聞いてがぜん私は50代が楽しみになった。
せっかくの人生のいちばん楽しい時期なら、
存分に楽しみたい。
その種まきをセッセと今している。
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