1ヶ月以上前のこと。あるイベントの宣伝が目に止まりました。
南インド料理食べまくり&ボリウッドダンス踊りまくりな「食べボリ」
私のインド料理とボリウッドダンスの思い出
インド料理もボリウッドダンス、どちらも大好きです。
ボリウッドダンスは『ムトゥ踊るマハラジャ』という映画で20年近く前に初めて観ました。
かつて観たことのない単純でハチャメチャなヒーローもので、いい意味でかなりの衝撃でした。
なんでも歌と踊りに変えてしまい、とにかく楽しい!
カラフルで賑やかな場面展開で、日本にボリウッド映画が一気に知れ渡った大ヒット作品となりました。
子供のころ住んでいたタンザニアは、インド人の移民が多い国でした。
タンザニアの全人口の半数前後は、タンザニア国籍に帰化したインド人。
インド料理店も多かったのと、家族全員がカリー好きだったこともありよく食べていました。
父の友人でインド系タンザニア人の男性のお母さまの作られるインド料理が絶品で、いつもお届けがくるのを楽しみにしていた思い出があります。
今でもインド料理は大好きで個人的にもよく行くのですが、どこも洗練されていて、なかなかあのインドのおふくろの味には出会えません。
瞬時に心惹かれた宣伝
インド料理を作るのが好きで好きで、いつも作りすぎてしまうので
もっと作りたい!だったら食べたい人を集めて食べてもらえばいいじゃん!
ということで、店は持たずにいろんなところでインド料理を作る2人組。南インド料理の作り手マサラワーラーこと、武田さん、鹿島さんの自己紹介文より
そんななか宣伝のこのキャッチフレーズに心を鷲掴みにされ、このイベントへ行けば私の好きだったものどちらも味わえるのではないか?
と期待値は上がる一方でワクワクしながら参加して、結果は期待以上のものでした。

Angela Ragaさん
まずアンジェラさんとアンジェラさん率いるSpicy Thumkaのダンスパフォーマンスで、イベントは始まります。
小さな会場のものすごく近い距離で、楽しそうに踊るユニットの皆さん。
幼稚園児からご老人までさまざまな年齢の方たちが集まっていましたが、誰もが拍手喝采の大盛り上がり!
そうして30分ほどのショーを観た後で、南インド料理の振る舞いがありました。
そうそう、これが私の知っている「インドのおふくろの味」

バナナの葉の敷かれたトレイが、各人に配られます
マサラワーラーさんたちが作ってくれた南インド料理が、このバナナの葉っぱの上に次々と盛り付けられていきます。

スープや長粒米から先に
コの字型に組まれたテーブルの内側、外側両方からスタッフさんたちの手によりお料理が盛り付けられていくのです!
前に座っている人も、横に座っている人も、どこからお料理が出てくるのか?
いつ配り終わるのかがわからないワクワク感で、笑みがこぼれます。

すべてのお料理全10品が盛り付けられたミールス
あっという間にトレイいっぱいになったお料理のいい香りで、どれだけでも食べられそうな気がしてきます。

事前に配られていた「手食マニュアル」(笑)
インド人がお料理を手で食べることは知っていましたが、タンザニアに住んでいたときも実践したことはありませんでした。
外米と言われている長粒米はパラパラするので、手で食べるのはポロポロとこぼれて難しいのです。
希望者にはスプーンも配ってくれますが、ほとんどの人が手で食べていました。

私もこの日は手食に挑戦!
テーブルに置かれたウェット・ティッシュで、きれいに拭きあげた手で実食!
最初は各料理の味を楽しんでから、最後はすべてを混ぜて食べるのが南インド流。
ひとつひとつ味が、かぶりません。
すべて違う素材、味付けでものすごく美味しい。
それと巷のインド料理屋さんでは、食べられないようなお料理ばかり。
私の初めて食べたインドのおふくろの味も、こういうお味噌汁のようにサラサラしたものでした。
このサラサラした油っこくないお料理の方が、パラつく長粒米にとても合うのです。
なんだか懐かしいのと嬉しい気持ちで、胸が温かくなりしみじみと味わって食べました。
一品ずつ別々に食べてから、最後はぐちゃぐちゃにすべて混ぜ合わせるのが南インド流!
全部違う味が、バラバラにならないように計算されているようです。
画像は(ぐちゃぐちゃなので)アップしませんが、混ぜ合わせた方が数倍おいしくなります。
そうして混ぜ合わせるのも、手の方がまんべんなく混ぜることができます。
また手食の方が口に入ったときに、お箸の木やカトラリー類の金属の異物感を感じません。
この異物感を感じないというだけで、味が断然おいしくなります。
配り手さんたちが「お代わりはいかがですか?」とこちらがストップをかけるまで、ご飯もお料理も注ぎ足してくれます。
特別なものがないのに、なぜこんなに楽しく心が躍るの?
踊って、作って、配ってくれたものを食べる。
ダンスも見応えあったし、お料理も確かに美味しい。
けれどもそれ以上の特別な心地よさが、この会場にはあります。
観光地やレストランでもショーとお料理を提供する場所はありますが、これほどにはワクワクしません。
はっきり言ってこの会場にはおしゃれなものも、気の利いたサービスも、詳しい料理の説明もまったくありません。
ただどの人たちも笑顔がいっぱいで、作る人も作りたくて作りたくてたまらない。
配る人たちもお客さんに、どんどんお腹いっぱい食べてもらいたい。
参加者たちのその場を楽しもうという気持ちだけで、こんなに盛り上がるのですね。
30名ずつ2交代制で計60名が食べたのですが、第1ラウンド参加の私は食べるのが遅く、1人だけ第2ラウンドの人たちともご一緒させていただきました。(笑)
お腹いっぱいでひっくり返りそう。
それなのに油も少ししか使われていませんし、お肉お魚も入っていないヘルシー料理なので胃もたれしません。
心も体も喜ぶにはプロの知識や技術、提供する人たちの惜しみない気持ち、提供される側の感謝。
そのどれもが高慢でもへり下っても、成立しないのだという学びが、このイベントのいちばんの収穫でした。
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