30代中盤くらいまで、

ずっと自分は寂しがり屋だと思っていた。
大学から一人暮らしを始めて、
私の住んでいたアパートには常に誰かがきていた。

狭い部屋に5〜7人とかで鍋を囲み
ざこ寝をするなんてことも、しょっちゅうあった。

子供の頃から料理は好きだったので、
私の作る料理は『セリめし』と名付けられ、
友達に喜んでもらえるのが、嬉しかった。

30代中盤頃から出張をするようになり、
一人でホテルに泊まる機会が出てきた。

最初こそ1人の空間を持て余し、
なにをするでもなく部屋の中をウロウロしていた。

けれどもコンビニで安いワインとお弁当を買って、
ホテルの部屋で誰に気を使うわけでもなく、
1人で過ごすことの楽しみを覚えた。

だから今は一人でいる時間が、とても好きだ。
 
最近知り合ったばかりの女性の住む場所と
目と鼻の先の場所へ行ったので、
夕飯でも一緒に食べないかと声を掛けてみた。

その人は快く出てきてくれて、お互いに
「ちょっと一杯だけ」
のつもりでお腹が空いている私を、
美味しいイタリアンへ連れて行ってくれた。

1階と地下に店舗があり、
地下は少しフォーマルな感じで、
1階はカウンター席がメインのカジュアルレストラン。

軽く済ませて帰る予定だったので、
1階の店舗へ入った。

Bacco
旬の食材が斬新なイタリアンに美味しく変身していた。

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鴨とクレソンのサラダ。

鴨とクレソンの鍋など、この取り合わせは大好きな食材だ。

上にカリカリのごぼうや、サツマイモのチップスが乗っていたり、
サラダにはパイン、ドライいちじく、マンゴーなどの、
甘酸っぱいフルーツも混ざっていて爽やか。
私の知っている鴨とクレソンの取り合わせと違って、
華やかなお味がぜんぜん違う。

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タケノコのグリル。

ガーリックオイルがかかっていて、
たけのことガーリックの香りって喧嘩しないのだと思った。
タケノコは和の香りがするけど、
これは完璧なイタリアンだった。

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三種肉のトマト煮込みタッコネッレ。
これは一口食べて2人とも
「おいしい~!」と唸った。

牛、豚、羊の三種類のお肉を
トロトロの繊維状になるまで煮込んであり、
タッコネッレというラザニアを
三角形に切ったような薄いパスタ生地で絡めてある。

横にはイチゴと唐辛子を
ジャム状になるまで煮詰めたものが添えてあり、
お好みで混ぜると甘さを感じた後ピリッとして、
味の変化が楽しめる。

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カラスミを齧りながらいただく白ワインは、
もうたまりません。

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 ホワイト・アスパラのピッザ。

薄くそぎ切りにしたホワイト・アスパラがピッザの上に、
たっぷりと乗っている。

ものすごく香りがよく、
見た目よりぜんぜんあっさりとしていて、
いくらでも食べれてしまう。
生地も薄くてパリパリ!

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甘いものも大好きな彼女は、ティラミスをデザートに。
甘いものをあまり好まない私も、一口いただく。
甘さが控えめでとても美味しかった。

価格も1,000円前後のものが多く、
コスパは非常に高かった。

この後お会計を済ませるのだけど、
話のバリエーションが広い彼女の話が面白く、
結局またその店で飲みなおすことになった。

なにやら彼女の親戚に顔も性格もホクロの位置も、
私にそっくりな方がいるそうだ。

そんな話を興味深く聞いていると、
どんどんお酒も追加のおつまみも進んでしまう。

私はお酒に強い方だ。

でもこれまで出会った人で、
甘いものとお酒が両方好きな人は、
お酒の強さが私の強さとは
比べ物にならないほど強い人たちだった。

彼女も例外ではなく、どれだけ飲んでも酔わないし、
二日酔いもしたことがないそうだ。

シラフの彼女は私の終電車まで調べてくれていた。
私はケラケラ笑いながら、
足元が少しフラつくほど酔っていた。

心配をしてくれた彼女は
「家に着いたら必ず連絡をしてね」
と言ってくれて、駅の改札まで見送ってくれた。

10歳近くも年下の出会ったばかりの彼女に、
お世話を焼いてもらう私。

なんだか嬉しいなーと思いながら、
家路へ着いた。

「今度は私の部屋で朝まで呑もうね。
私は寂しがり屋だから、朝まで呑みたい」
と言ってくれた。

この言葉でかつて私も寂しがり屋だったことを、
思い出すこととなった。

一人の時間も大好きだけど、
おいしいものを食べながら、お酒を飲み、
笑い合える会話があるというのは幸せなことだ。

こういう時間は1人では持てない。

大人になるとなかなか学生時代のように、
新しい友達ってできないと思っていた時期がある。

今考えると、それは人に上手に甘えられなかったからだ。
そうして1人でいることが好きになった。

素直に甘えることを覚えると、
人も心を開いてくれる。

ここ数年間は新しい友達と呼べる人が増えている。

1人の時間のよさと、誰かと過ごすことも楽しめるよさ。
両方味わえるようになったのは、
いろんな人が私を甘えさせてくれて、
成長をさせてくれたからだ。

 

 

 


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