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自己承認感の低い人は、謙虚なのか自慢なのかわからないもの言いをしがちだ。

誰もが認める優秀さを兼ね備えているのに、自分は他者から認められていないと感じている人が多い。
優秀ゆえに妬まれたのか、それとも謙虚さを装っているのか?

しかしながら聞く側からすると中途半端な自慢話、これほど聞き苦しいものはない。

たとえば40代の人間が体力測定で、20代前半の身体能力を持っていると測定されたとする。
これは大いに誇るべきことだ。

それなのにこれを自己承認感の低い人間が、伝えるとどういう言い方をするか?
「自分はちょっとジムへ通っただけなんだけどね、20代前半だと測定されたよ」

これでは周りの人間へ「すごい!若いね!」と言わせようとしているのが透けて見えてしまう。

商売などの利害関係でもある相手ならば「すごいね」と賞賛することだろう。
けれども利害関係もない大抵の者は心の中で「ハイハイ、あなたが素晴らしいのはわかっていますって」と引いてしまう。

これは自慢をしている内容がイヤなのではなく「すごい!若いね!」と言わせようとするコントロール力に、多くの人たちが嫌悪するのだ。

また人へ便乗するような、自慢の仕方もよろしくない。

たとえば「テストで満点取れた!」と喜ぶ子供がいたとする。
そのときに「(自分が)一緒にあの問題の解き方を、教えてあげたからね」とその子の功績を横取りして自慢をするタイプ。

子供が「一緒に解き方を教えてくれたから、満点が取れたよ!」と言ったのなら問題ない。
やはりこの場面でも言葉のコントロールで、自分を賞賛させようとしているのがマズいのだ。

さらにもう1つの例として、やたらと他人を持ち上げるタイプ。

「〜さんは、いつもすごくて努力を惜しまない人なのですよ」
となにかにつけて、相手のいい部分を無理やり大人数の前で披露する人。
(あくまでも不自然なまでに無理やり感を出す人のことで、誉めることそのものが悪いわけではない)

これは相手のことを持ち上げてはいるように見せかけて「私って心の広い人間なのですよ」という自分へ一目置かせるためのパフォーマンスに過ぎない。
ここにもコントロール感が透けて見えるので、要注意だ。

これらが自己承認感の希薄な人たちの話術の例え。
ではこの人たちは優秀だったり、いいことをしているという自慢をしてはいけないのか?

そんなことはない。
素晴らしいことは、大いに自慢していいのだ。

ただし自慢のしかたがコントロールだとすると、人から嫌悪感を買ってしまうというだけだ。
こういう人たちはひとこと「自慢をしている」と前置きをすればいいのだ。

「これから話すことは自慢話なんだけど」
「イヤ〜、自慢になっちゃうけどいいかな?」

この前置きがあるのとないのとでは、聞いている者に雲泥の差が出る。
「自慢?いいよ〜、やっちゃって〜」と私がこれまで前置きをして伝えたところ、100%の人たちは言わせてくれる。

幸運にも優しい人たちだから言わせてくれているのだけど、万が一「聞きたくない」と言われたら引っ込める。

また「いいよ」と許可をしておきながら後から妬むような人が出現すれば、それはその人の持つコンプレックスの問題で、私の発言に対する問題ではない。
わざわざ自慢話などしなくても、他の場面で張り合って足を引っ張ってくる相手と言えるだろう。

その人は私の交友関係のリストから、外すことになる。

また自慢をコントロールで聞かされたのならば「それって自慢している?」と確認すればいい。
すると自慢か自慢ではないのかは、相手が明らかにするだろう。

自己承認感の低い人は「自慢ではない」と言うので「あ、そうですか」とこちらも賞賛する必要がなくなる。
つまりコントロールから逃れることができるのだ。

余談になってしまうが、かなり前に友人が「自慢語」という造語を編み出したことがある。

「季語」「謙譲語」や「敬語」などの「語」の言葉がつく延長で「自慢語があってもいいのではないだろうか?」という発想のもと、「自慢語」という単語が会話の中でやたらと出てくるようになった。

A: 「昨日車を買い替えたよ、中古だけど◯MW」
B: 「それって自慢語?」
といった具合で相手へ嫌味なく「自慢をしているよ」と伝えるのだ。

すると中途半端な自慢をしていた者も、その場に居合わせた者も同時に「自慢語」と言われただけで笑いが出てくる。
「自慢しちゃって」と言えば嫌味になってしまうものが「自慢語」というユニークな造語で相手のプライドを傷つけずに伝えられる。

「自慢語」は仲間内でしばらく流行ったけど、次第に飽きられ廃れていった。(笑)
けれどもこういった具合にユーモアで回避するのも、ひとつの手だということをお伝えしたかった。

・自慢をする者は自慢をしているという自覚を持ち、なおかつ公言する。
・言われた側は、コントロールをされないように確認する。
・または自慢をしている「誇り高き者」のプライドを傷つけないよう、ユーモアで切り返す。

すると人との交流がスムーズにストレスなく行われるので、ぜひお試しいただきたい。


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