「鬱(状態も含む)の人ほど食べ物を噛めない」
と言われている。これは本当のことだ。

 

人が1口で何回噛むか?
ということを観察していた時期があった。
健康であっても、
多くの人が10回〜15回ほどで飲み込んでいた。

 

一方で悩みの深い人(鬱傾向)の相談を聞きながら、
その人たちの咀嚼回数を数えてみると、
ほとんど噛まずに、飲み込んでいた。

 

また私はもともと噛む回数が多く、
子供のころから食べるのが遅かった。
それなのにパニック障害になる1年ほど前から、
誰よりも早く食べ終わるようになっていた。

 

病気になる前から噛めなくなっていたのだ。

 

噛むにはエネルギーが必要だ。
一説では1口30回噛む食事を
3食摂るだけで、
1200キロカロリーも消費すると聞いた。

 

こんなに消費するならば
気力も体力も湧かない鬱感情の強い時期に、
噛むことはできない。

 

噛んで顎(あご)の筋肉を使うと、
脳への血流は運動するときより良くなり、
頭の働きもよくなる。
脳への血流が少なくなるのも、鬱になる要因だ。

 

玄米菜食を勧めるマクロビオティックでも、
「いくら玄米が体にいいからといって、
噛まない玄米は消化に悪いから、
白米を食べたほうがよほどいい」
とも言っている。

 

鬱感情が出ているときは、
同時に胃も弱っている。

 

そこへ噛み方が足らない食物が入ってきて、
消化しずらい状態が続くと、
鬱感情がさらに深まるという
悪循環を引き起こしてしまう。

 

食べ物の質をどれだけ上げても、
噛まなければ意味がないどころか、
逆効果になる可能性があるということが
おわかりいただけるだろうか?

 

噛むことで出る唾液には抗菌作用や、
傷ついた体の細胞を守ったり、
修復させる酵素が含まれている。

 

それが自己免疫力を上げることにつながる。

 

飼い犬が人間の口をなめにくるのは、
飼い主とキスがしたいわけではなくて(笑)
唾液中の酵素を欲しがっているのだ。

 

日頃から噛む習慣が少ないと、
唾液が出づらくなってしまう。

 

食べ物を飲み物で流し込む習慣のある人は、
唾液の分泌量が少なくなり
自己免疫力も落ちやすいので、
心がけて噛む習慣を取り戻してほしい。

 

鬱感情によくとらわれる人も、
日頃から噛む習慣を持っていただきたい。

 

元気なときできるだけ柔らかい食べ物を避けて、
ガムやスルメ、ナッツなど
噛まなくてはならないものを食べて、
顎の筋肉を強化しておくことは有効だ。

 

もしも鬱感情に陥ってしまったときは
量や質にこだわるより、
少しの量をよく噛んで食べることだけ意識する。

 

食欲が湧かなければ、
昆布などの乾物を口の中で
ゆっくりもぐもぐしているだけでもいい。

 

ラーメンや油っこいものを食べた後や、
でんぷん質を多く含むパンなどを食べた後に、
歯がザラザラしていないだろうか?

 

これがプラーク(歯垢)なのはご存知だろうけど、
プラークは虫歯菌を繁殖させる。

 

よく噛んで食べた後は、歯がザラザラになりにくい。
噛むことは虫歯予防にもなるので、
ぜひお試しいただければと思う。

 

小さな子供さんのいるご家庭でも同じだ。
子供に量をたくさん食べさせることより、
少ない量でも時間をかけて、
よく噛んで食べさせることを優先してほしい。
情緒の安定の助けになる。

 

忙しくない夕飯時や、週末だけでもいい。

 

食事の前の
「いただきます」
の前に親が
「よく噛んで、召しあがれ」
とひとこと子供に声をかける。

 

自然な形で「よく噛む」という言葉が自分にも
子供にもインプットされ、
無意識のときでも暗示にかかっている。

 

噛んで食べることのメリットは大きいけど、
デメリットはないということを知ってほしい。

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