人がいちばん怖いと思ったできごと 〜いじめられる原因

満たされないものがあると、人は他者を妬み意地悪になります。
それはお金だったり、若さや美だったり、知性だったり、健康だったり。
自分に不足しているものを持っている者には、容赦がありません。

ただその妬みや意地悪が妬んでいる当人へ向かうのならまだしも、それ以外の者へ向かうことが多いのです。
誰へ向かいやすいかというと「自分に自信がなく、弱っている人」へ向かうのです。

パニック障害だったころ、珍しく気分のいい日がありました。
その当時はどうしても外へ出なければならない限り、発作が起こることを恐れて自宅へ引きこもっていました。

それゆえ嬉しくなり妹に連れ添ってもらい、デパ地下を散策することにしました。

そのときに差し出された、試食用の焼いたお肉がとても美味しかったのです。
冷蔵品だし重たいから、後で買おうと思いその場を離れました。

15分ほど他店舗を見て回り、すっかり人に酔ってしまいました。
久しぶりの人混みだから、無理もありません。
まだ見たい場所はありましたが、美味しかったお肉だけ買って帰ることにしました。

50代だと思われるお肉屋の女性店員さんは「あら、戻ってきてくれたんですね」と歓迎してくれました。
「ええ、試食がとても美味しかったので」と返事をしました。

そこへ少し離れた店舗を見ていた妹が、私の側へ追いついてきました。
「あら、お嬢さんも一緒にきてくれたの?親子でいいですね」と言われて、2人ともキョトンとなりました。
「いえ、私は…..娘ではなく妹です」と妹が返すと
「じゃあ、歳がうんと離れているのね?(妹を指差し)あなたは20代でしょう?そうしてあなたは(私)は50代?」
店員さんの目つきは鋭くなり、なにがなんでも私は50代に見えるといいたげな、挑戦的な目つきに変わりました。

確かに妹は童顔で、年齢より若く見られます。
けれども当時39歳だった妹は、どう見ても20代には見えません。

また私は当時42歳でしたが、年齢相応に見られていました。
ただ当時は、病気でヤツれていたのは確かです。

百歩譲って50代に見えたとしても、それを店員さんがお客へ言うことでしょうか?
親しい友達でも言わない無礼なことです。

ニコやかに話掛けられていたので気がつきませんでしたが、店員さんの目つきが変わったことで、意地悪だということに2人ともやっと気付いたのです。
店員さんの横で一緒に働いていた若い男性店員さんは、一部始終を見ていて、ハラハラと気まずい顔で目を伏せました。

「返す言葉がない」とはこのことです。
思わぬ人から、不意打ちで毒を受けると、すぐに反撃はできません。

なにが起きたのか混乱した頭が適応できず、しばしボーッとなってしまうのです。
まるで言葉の通り魔のような、攻撃性でした。

「行こう」妹の腕を引っ張って、その場を立ち去ることしかできませんでした。

今なら「あなた失礼じゃないですか?」と反論することでしょう。
けれども発作という爆弾を抱えていた私には、発作が起こらないよう逃げました。

妹は「なんであんな人に、あんなこと言われなきゃなんないの‼︎」と悔しさを露わにしました。
けれども妹も私が発作を起こすのを恐れて、反論を控えたのです。

元気な私が同じような目にあったか?

販売されている物を買いに行ったというだけで、なにか私がその人の気に食わないことをしたとは思えません。
意地悪をされたのは、こちらがなにもしていなくても私が「相手より弱そうに見えた」ことに尽きると思います。

デパートの中です。仮に私がその人に反論をして、いろんな人が聞き耳を立てれば、騒ぎになることも考えられます。
その人はおそらく私が反論できないことは、見えていたのだと思います。

このように知っている人や家族だけが、攻撃をするわけではありません。
さまざまなストレスを抱えている者が、理由なく攻撃する相手を探していることもあるのです。

その人を擁護するつもりはありませんが、客観的に考えるとわかります。

ひとつだけ言えるのは弱い者が狙われて攻撃を受けるのは、人間だけに限ったことではありません。
もともと自然界は、そのようにできているのです。

野菜や果物が虫食いにあうのは、弱っている部分です。
野生動物が狙われるのは生まれて間もない子や、怪我や病気で動けなくなった獣です。

がまんをして弱り続ければさらに攻撃を受けることはあっても、元気になれば攻撃を受けることは少なくなります。
また攻撃されても、反論もできます。
声を出さない人が、いちばん攻撃しやすいのです。

黙ってがまんをせずあなたの本音を探していただくことが、なによりの反撃なのです。
強くないから本音を隠すのではなく、本音を声に出して言えることで、初めてあなたを強くするのです。


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