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「出る杭は打たれるけど、出すぎた杭は打たれない」という言葉や、
「突き抜けちゃえ!」と言われたことはないだろうか?

「そんなに突き抜けたり、出すぎたりする杭は持っていないよ」
と言っていることも、何人かから聞くことがある。
突き抜けるって、いったいどういうことなんだろう?

某有名百貨店に夜7:00を過ぎると、
毎晩出没する、都市伝説のような女性(推定60代)がいる。

その人はデパ地下中の試食品を、飲み食べ漁り、
従業員さんたちとも顔見知りのようで親しく話をしている。
そこだけ切り取るとまるでタパス巡りをしているみたいに、
美味しそうに食べまくっている。

なぜ私がその人を知っているかというと、
滅多に行かなくても100%の確率で会えるからだ。

ある日その人の話を友人に話すと、
「知っている。あの髪の長い痩せた女性でしょう?」
と有名人だということがわかった。

友人は「あの人ね試食だけじゃないの。
閉店直前にお手洗いへ行くと、洗面所で髪を洗っていてハンドドライヤーで、
乾かしてまでいるのを見ちゃった。
夕飯とお風呂どっちもすませに来ているんじゃない?」
と私の知らない情報まで教えてくれた。

ファッションセンスはすごく良く、安い服ではないのは一目瞭然だ。
いちばん難しいシックな色の組み合わせを、地味ではなく着こなしている。

元ファッション関係の仕事をしていたのではないかと思うような、
難しい着こなしで、かなりのオシャレ上級者に見える。

またこの百貨店の界隈には赤いタータンチェックのミニのワンピースを着て歩く、
名物男性も出没する。(この人も推定60代)

足も細く黒いタイツを履いて、きれいにワンピースを着こなしている。
背も高いので、遠目に見るとモデルさんのようなスタイルの良さだ。

けれどすれ違いざまに男性だとわかって、私も含めて誰もが驚き振り返る。

その人が醸し出す気配が女性なのに、
化粧もしていないし、刈り上げたヘアスタイルで男性だと初めて分かるからだ。

この2人の人たちに共通しているのが「楽しそう」なのだ。
まったく人目も気にしていないし、影がない。

堂々と試食をどれだけでも食べ漁ったり、
タータンチェックのワンピで街を歩くことを、心から楽しんでいるように見える。

存在に驚いたのは最初の2回くらいで、その後は興味深い「観察対象」になった。
見ている私も楽しい。

自分の家族にこういう人がいたらどうするだろうか?と考えてみると、
あんなに楽しそうな顔で毎日過ごされていたら、
そっと自由にして置くような気がする。

結局突き抜けるって、こういうことなのだろう。
自分がいちばん心地のよい表現で、笑いながら日々を過ごすこと。

誰はばかることなく、一人で思う存分楽しむこと。
ここに踏み込むことができたなら、最初は驚かれるけどすぐに慣れてももらえる。

中途半端に楽しみを出したり引っ込めたりして、
他人の批判を気にしながらオドオドしていると、
途端に出る杭として打たれてしまうのかもしれない。

この人たちがこうなったのは、きっと昨日今日の話でもないだろう。
もともと子供のようにノビノビと表現をする、
アーティスティックな才能がある人たちなのだろう。

もしこの人たちがしょぼくれていたら、ただの卑しいおばさんと、
変態おじさんとして職務質問をされていそうだ。

けれども楽しそうに過ごしていることで、誰からも受け入れられるのだろう。

突き抜けちゃえ!笑っちゃいな!楽しんじゃえ!
そこに付いてくる人たちだけと付き合えばいい!


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