事実と空想を分けて考えるという習慣をつけるのは、とても大切なこと。
人は空想で思い悩んだり空想による危険を回避する先手を打ったりして、失敗することが多い。
大分県佐伯市が震源地で、震度5強の地震が昨日の深夜に起きた。
九州はもともとあまり地震のない地域なので、九州の人たちは地震に慣れていない。
ちょうど10年前の西方沖地震の際も地震慣れしていずに慌てた人が、2階窓から飛び降りたりして足を骨折するなど、倒壊物による被害以外に恐怖心による被害も多かったほどだ。
幸い死者などは出ていない模様だったので安心したが、念のため九州に住む友人が恐怖心で怯えていないかが気になった。
電話で安否を確認するとその人の住んでいる地域は、大した揺れではなかったらしく気づかずに寝ていたという。
それならよかったという話から、佐伯市に関する話をその人が始めた。
「あそこが小さな都市だったのが、幸いだった。震度5強は大きいので、大きなビルなどあれば大変なことだった」
と解説があった。
てっきりその人は、訪れたことのある場所なのだろうと思いながら聞いていた。
「平家ばかりだと、揺れが大きくてもそれほどダメージはないからね」
など詳しい風景を説明しはじめたので、私はそんなに縁の深い場所なのかと思った。
何度も話したことのあるその人から「佐伯市」という言葉を聞くのは初めてだったので、聞いてみた。
「佐伯市のことに詳しいね。最後に行ったのはいつ?」と問いかけた。
すると「あっ!行ったことない。すっかり空想で話をしていた!」という滑稽な一幕があった。
その人は知ったかぶりをしていた様子もない。
ただ空想が先走り、楽しく佐伯市の模様を私に伝えたくれていたようだ。
単なる笑い話なのだけど、空想で人はここまで話をしてしまうのだ。
たまたまにしても、もし私の質問が空想を遮らなければ、その人は行ったこともない場所の空想情報をもっと詳しく私に伝えていたかもしれない。
その情報を私が信じ込み、勝手に「佐伯市はこういう場所」と人へ伝える可能性もある。
実は家族問題が起こるのに「想像」と「事実」が混在していることが、原因になることが多い。
・自分の息子はどこか頼りない部分があるから、学校でイジメられてしまうのではないだろうか?
頼りないのは事実、イジメられるのは空想
・自分の嫁は整理整頓が苦手だから、自分の留守中に火事でも起こせば大変だ。
整理整頓が苦手なのは事実、火事を起こすのは空想
・夫のお金使いが荒いから、自分のパートの収入は使い込まれないよう隠しておこう。
お金使いが荒いのは事実、お金を使い込まれるというのは空想
ことの発端は些細な空想なのだけど、それを自分が信じ込んでしまうことでややこしい場面へ突入する。
・子供がイジメられないよういつも頼りない部分を注意して、監視する。
その子供はまだイジメられてもいないのに、いつも息苦しい思いを親からさせられて引きこもる。
・整理整頓が苦手な嫁が火事を起こさないよう、いつも自分が不要な物だと判断すると捨ててしまう。
嫁は自分の大切な物まで捨てられて、夫を恨む気持ちがどんどん積もっていく。
・夫にばれないように隠しておいたパートの収入が、扶養家族の枠を超えていた。
夫の会社へ通達があり夫の信用も失い、追徴課税を払わされて夫婦喧嘩になった。
すべて最初は種火のような、小さな空想だった。
その空想は家族を巻き込み、やがて大火事へ発展する。
そのようなことが起こらないよう、常に事実を集めて対策を取るのが大切だ。
・頼りない子がイジメにあったときは、いつでも相談できる関係性を作るのが先決だ。
・整理整頓が苦手な嫁には整理整頓をできるようになる指導者を探したり、収納のプロへおまかせしてもいいだろう。
・夫のお金使いが荒いのなら、自分が夫のお金を含めて管理する側へ回ればいい。
お互いの相談のうえで解決する手立てを探す手間を省くから、空想に頼ってしまうのだ。
また事実と空想を分けて考えられない人は、人に相談したり頼ることが苦手な独りよがりな人が多い。
子供の帰りが遅い→事実→お腹が空いているのではないか→空想→お腹が空いているかの事実を集める
夫の顔色が悪い→事実→仕事がうまくいっていないのではないか→空想→仕事で悩んではいないかの事実を集める
このように日常の小さなできごとで、事実と空想を分ける練習をすることができる。
すると人に相談したり頼ることへの苦手意識も減り、独りよがりの大火事まで発展するのを回避することの練習にもなる。
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