選択で迷いが生じたときスタートラインへ戻ろう

AかB2つの選択肢が生じて、瞬時の判断が迫られるとき。

そのときは一瞬でいいから「スタートラインへ戻る」ことをお勧めします。

思考を一度こじらせると優先順位が狂い、なかなか本来の到達点へたどり着くのは困難です。

「ここから出よう!」

「ここから出よう!」

少し戸惑う私の手首をつかんだ友人が、入ったばかりの飲食店から出ようとしています。

セリ:「今、食べ物のオーダーをしたばかりだよぉ」

友人「そんなの関係ないから出よう」と聞こえるか聞こえないかの、小さな声で耳打ちします。

通されたカウンター席に座るとき、私のスカートの裾が隣の男性の足にかすっていました。

「申し訳ございません」と頭を下げたのですが、気に食わないご様子。

「(スカートの裾に気をつけるのは)常識ってもんでしょ!常識!」と続けざまに怒っています。

「この店、きっと気にいるよ」と友人が、予約を入れてくれていたお店。

5、6年ぶりくらいに会う、20代からの仲良し。

転勤で地方へ住んでいて東京出張が入ったと、食事に誘われた日に起こったできごとでした。

小刻みに震えていた肩

友人は素早く会計をすませて、その店を出るよう私をうながします。

お店の人の「なにか不始末がございましたでしょうか?」の問いかけにも一切答えず、表情は穏やかなまま。

友人のおおらかな態度に圧倒されて「私なら大丈夫なのに」と思いながら眺めていました。

店を出る際、友人は私をかばうかのよう、フワッと柔らかく肩へ手をかけました。

触れられるまで自覚していなかったのですが、私の肩は小刻みに震えていたのです。

そのままいても、いいことないよ

お店を出るとすぐに震えは止まり、緊張がほぐれて笑いが込み上げてきました。

笑いながら「ごめんね、せっかくの予約を台無しにしちゃって」と伝えます。

自分がスカートの裾をもう少し気をつけていれば、こんな事態は起こらなかったのにと残念に思いました。

友人も「そうそう。ミニスカートを履いてくれば、こんなことにならなかった」と笑って返してくれます。

代わりに行くお店を探しながら「いったんスタートラインへ戻ろう」と友人はつぶやきます。

「そのままあの店へいても、誰にもいいことなかったと思うよ。きっと会話も食事も楽しめなかった」。

誰がどうしたかは関係ない

友人の言う通りです。

自覚はなかったとはいえ私は肩が震えるほど、隣の席の人を警戒していた。

自分の不始末ゆえ、怒らせたのも仕方のないことだと。

そうしてその状況のまま友人と、楽しもうと無理をしていたことになります。

けれども私の警戒心は友人まで伝わっていたから、友人は「店を出る」という判断を瞬時にしてくれた。

久しぶりに会う人だろうが、私を喜ばせようとして予約を取ってくれたとかは関係ない。

また私のスカートの裾への配慮が足らなかったことも、どうだっていい。

そんなことを考えていると、起こったことへどう対峙するかがわからなくなる。

ただ楽しいひとときを、過ごしたかっただけ

スタートラインからのゴールは「久しぶりに会って、楽しく食事をしよう」でした。

そうしてスタートラインでの目的通り、美味しく楽しい時間を別の店で過ごしました。

起こったできごとへ反応して、取り繕おうとしても無理が生じる。

だから判断に迷ったときは、必ずスタートラインへ立ち戻る。

戻って、本来なにを得ようとしていたのかを考える。

すると瞬時に「今どうすれば、与えられた状況が快適になるか?」と優先順位へ思考が移ります。

もちろんこの件での素早い判断は友人がしてくれたのですが、自分も大いに見習うこととなりました。


投稿がお気に召しましたら、ポチッとクリックをお願いします!

↓いつも応援ありがとうございます。

にほんブログ村 家族ブログへ