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異業種交流会の和やかな宴席で、誰もが和気あいあいと楽しんでいた。
そこへ1人の男性があらわれた。

虫の居所でも悪いのか、周りにいる人間に突っかかるような口調で挑んでいた。
人の言葉の揚げ足を取り、相手の仕事を聞き出しては小馬鹿にする。

ではあなたの仕事はなんですか?
と聞くと「俺?プー太郎」と言って自分のことは話さない。

たった10人ばかりの宴席が、その人1人が加わっただけで誰も話さなくなった。

別の男性が場の空気を取りなそうとして、その人と乾杯をしようとすると、
「俺が悪もんみたいじゃねーかー!表へ出ろ!表へ!」
と乾杯をしようとした男性へ食ってかかる。

乾杯をしに行った男性もさすがに呆れて、
「いえいえ、あなたには到底かないませんので外へは出ません」
と苦笑いを浮かべると、その態度がまた男性の怒りに火をつけた。
お酒を煽るように飲み、座った目で乾杯をしようとした男性を睨みつける。

最後は数名の男性がその人に家へ帰るよう穏便に促し、宴会は元の和やかなものに戻った。
たった1時間ほどの光景だった。

お酒の席でのたちの悪い人の話に過ぎないのだけど、
1人の人間の持つ力の影響力を、短時間で見せつけられた気がした。

「自分の力なんて大したことないよ」と過小評価などできないと思った。

大の大人が10人いてもその人の態度の悪さは変えられず、排除をするしかなかったのだ。
下手をすると暴力沙汰にもなりかねない。ただ飲んでいるというだけで。

自分1人があがいたって、よくしようと思ったって、
そんな力が自分にあるわけがないという考えが吹き飛んだ。

自分の信じたやりたいと思ったことを続けていれば、
あの人のように何人いたってかなわないほどの力が発揮できるのだ。

肝心なのはやりたいことが、本当になにをしたいのかというところに尽きる。

あの悪影響を及ぼした男性が人との接触を避けたいのに、飲み会に参加をするわけがない。
寂しくて誰かと触れ合いたいのに、
自分が受け入れられていないことを肌で感じていたのだろう。

乾杯をしようとした人を睨みつけているときに、私は彼に言った。
「本当は傷つきやすいのでしょう?」

すると「よくわかってくれた」と言って、私に握手を求めた。
「だったら悪態をつくのをやめましょうよ。悪態をついて優しい言葉なんて返ってきませんよ」
というやりとりがあった。

彼はこのやりとりで黙ったところを他の男性たちから促されて、帰って行った。

自分の手柄だと言いたいのではない。
彼は自分の欲しいものが人からの優しい言葉がけや、認めてもらうこと(自己承認)
を得たいのだと気づいていないということが言いたい。

それに気がついていなかったから、
相手を小馬鹿にして自分を優位に立たせようと躍起になっていただけだ。

取るべき手段は「自分がどうありたいか?なにをしたいか?」が明確にならないと、
たちまち間違った表現で足元をすくわれて、排除されてしまう。

そうして正しい表現で取られた手段は、
たった1人の人間でもメガトン級の影響力を他者に与えて、よい循環を生み出す。

だから影響力のない人などこの世にはいない。
誰もがなにかしらかの、すごい影響力を持っているのだから、人間の力はあなどれないのだ。


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