ホッテントットと呼ばれて

子供の頃の私はとても出っ尻(でっちり)でした。(今でもまあまあそうなのですが、年とともに重力で下がり、そうでもなくなりました…….笑)

母は私の出っ尻が自慢でお尻が強調されるようなGパンや、7部丈のパンツをよく履かせていました。

小学2年生の当時「ホッテントット」というお尻の上で育児ができるほど突き出した民族が、日本に知れ渡りました。

さすがにそれほどの出っ尻ではありませんでしたが、明らかに他の子たちとも違います。

私は男の子たちから「ホッテントット」とからかわれるようになりました。

自分のお尻がコンプレックスでしかありませんでしたが、親へ言っても「カッコイイのよ!」と取り合ってはくれません。

2年が経ち4年生のとき父の仕事の関係でアフリカのタンザニアへ渡ると、タンザニア人は足も長いしお尻は私よりもっと出ている。

同じ背丈の子と背中合わせで立てば、私の腰に相手のお尻が乗っているほど腰の位置からして違うのです。

私の出っ尻はまったく目立たなくなり、初めて自分のお尻がイヤなものではなくなりました。

インターナショナル・スクールの先生たちも変な意味ではなく「日本人離れしていてカッコイイ」とホメてくれます。

それに加えて現地の日本人会では私のお尻のカッコよさが、大人同士のパーティーのときに話題に上がるようになっていたそうです。

両親は鼻高々でパーティーから帰ると「セリのお尻、みんなカッコイイって言っているよ」と、楽しそうに話していました。

日本に帰ってきて驚いた

中学の入学に合わせて帰国をして、いちばん驚いたのが体育の授業でした。

セーラー服から体操着のブルマーに着替えると、ほぼ全員のお尻がペッタンコ。

タンザニアの3年間で出っ尻の人たちをすっかり見慣れた私は、日本人のお尻がそうだったことを忘れていました。

というか日本から出るまでは自分のお尻ばかりが気になっていて、他の子たちのお尻を見る余裕もなかったのです。

帰国してしばらくは人のお尻にばかりに目が行ってしまい、まるで違う惑星に迷い込んでしまったと感じるほどの衝撃でした。

そのとき日本人とタンザニア人の、極端なお尻の形の違いの中間くらいにある、自分のお尻が初めて好きになれたのです。

タンザニアでどれだけホメられても受け止めきれず、日本へ帰ればまたからかわれることばかり考えていました。

ただ「おかしい」と日本の学校で日常的に言われていたことが、言われなくなったことでお尻に対するコンプレックスは低くなってもいました。

自分が人とは違うお尻の形を、受け入れられたせいでしょうか?

私のお尻の形をからかう人は、帰国してから現れていません。

あるいはからかわれても、心に引っかからなくなったのかもしれません。

私がお尻を嫌悪すると、周りも私と同じように嫌悪するのだとそのとき感じました。

人には考えられないようなコンプレックスがある

大きな胸、童顔(若い男性に多い)、背丈、痩せている、太っている。

他者にはうらやましいと感じることでも、本人はコンプレックスとして抱えていることがあります。

ただそれは狭い世界で、自分を横並びにしようとしているだけなのです。

場所を変えて接する相手が変われば、見た目だけではなく性格だって魅力的に映る場所はあるのです。

からかったり意地悪を言う人からは、離れた方がいいです。

そんなことで自分のコンプレックスが深まって、せっかくの魅力を埋もれさせてしまうのは勿体なさすぎます。

違った観点で自分のコンプレックスを見直して好きになれれば、意地悪をしてくる人も気にならなくなりますので大丈夫。


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