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時代がどれだけ変わっても、強い男性に憧れる女性たちは多い。
特に生まれてこのかた好景気を体験していない30歳以下の若者たちは、質素で堅実な人たちが多い。

質素で堅実なのは、ある意味「せせこましい」という解釈にもなる。
そんな男性たちに囲まれている女性たちから見たら、力強い男性に憧れる気持ちもわからなくもない。

「黙って俺についてこいって言ってくれる人いないかな?」という発言をよく聞く。
弱っちい、せせこましい男性にうんざりしていて、グイグイと引っ張ってくれる相手を探しているのだ。

一方でこの種の男性に1度でも関わった者たちが口を揃えて言うのが「冗談じゃないよね」。
誰もがわかっている。

「黙って俺についてこい!」と言葉に出している人はまだマシだ。
要約すれば「俺弱っちいから、あなただけは俺に怒らないでいて〜」と弱さを自覚しているから、可愛らしくもある。

けれども考えを口にも出さず、態度で「黙ってついてこい」と示してくる者は最低だ。
この人種は相手の言葉をはなっから否定し、自分の考えを押しつけてくる。

相手の言い分を最後まで聞かず「それはあなたが間違っている、違う」と自分の持っている考えをひけらかそうとする。
最後まで聞かずに、いったいなにがわかるというのだ?

頭のなかは相手を論破して、支配することだけしかない。
いったん相手の言い分を引き取るという力が、欠落している。
相手の考えに共感する力もない。

仮に相手の考えが間違っていたとするなら、なにが間違っていると思っているのかを説明するまでだ。
言い負かす必要はない。
議論というのは勝ち負けではなく意見の交換にすぎないからだ。

そんな人間に黙ってついていった先は、どうなるか想像してほしい。

自分の苦しい胸の内を打ち明けても「それはあなたが間違っているから」という一言で裁かれる。
自分の欲しいもの、やりたいことを伝えても「そんなことをして、なんになる?」と一刀両断する。

根拠があって心配して伝えているのではない。
精神の暴力で、すべてを自分のコントロール下に置きたいだけだ。

相手に成長してもらっては困るのだ。
相手が自分より強くなられては困るのだ。
相手が自分より他者から注目されたら困るのだ。

そうさせないために必死につぶしにかかるのが「黙って俺についてこい」という人種の正体だ。
自分が上に立つために、相手の精神をサンドバッグにする。

二度と自分に反論をさせないよう、執拗に相手を追い込む。
そうしてまでも、自分に従わせようとする。

自分以外の他者へ目を向けることや、自分の元を離れることは許さない。
離れようとした相手は、容赦なく叩き潰す。
そうして外へはいい人を演じ、誰からも注目を浴びようとする。

相手の心に共感する力がない者に「悲しい、苦しい」と伝えるのはご法度だ。
「自分の言うことを聞かないからだ」と格好の餌食にされてしまう。

自殺まで追い込んでも「自分の言うことを聞かなかったのだから、仕方がない」
人を殺しても「自分の考えに刃向かったから殺しただけ」
自分の攻撃にはすべて「正当防衛」だという勘違いした正当化がつきまとう。

特徴的なのは自分が撒いた種に、問題が起きたときの尻拭いをしないのもこの人種。
自分以外の誰かを差し出し、やり散らかすだけで終わる。

こういった人たちの行き着く先は「自滅、自殺」だ。
しかも困ったことに、必ず誰か道連れを伴わせる。

そこに罪悪感は一切ない。
なぜなら「正当防衛」という確固たる理由があるから。

今回の新幹線で油をまいて焼身自殺をした男性も、犠牲者を出すつもりがないのなら、わざわざ新幹線という場を選ばなかっただろう。

自己愛性人格障害の代表格であるヒトラーも、歴代の妻は全員自殺している。
にも関わらず最後の女性エヴァ・ブラウンとは、共に自殺する前日に結婚をしてまで誰かを必要とした。

一人ではなにもできないのだ。

また人格障害まで行かなくても「自己愛型傾向」の人間はそこいら中にいる。
親、配偶者、上司、兄弟、友人、年齢性別に関係なくいる。

ただし自己愛型傾向が、自己愛性人格障害になるまでには大きな隔たりがある。
その境目は賛同者がいたか?ということだ。

ヒトラーと同じく従う者(依存的な人)がいる限り、もともとは自己愛型傾向ですんでいた者が、
「黙ってついてきてくれちゃった人がいる」という成功体験を得ることで、どんどん自己肯定感を得て「人格障害」まで進む。

この種の人間は孤独を嫌うから、弱った人間や依存的な人間を探し出すのが得意だ。
「黙って俺についてくれば、守ってあげるからね」と守る力もないのに囁いて取り巻きを作っていく。

「黙って俺についてこい」と言う男性について行こうとする女性にも、問題がある。

本当に自分の意思を、すべて捨て去ることができるのだろうか?
自滅へ巻き添いにされる道を、進むことをよしとするか?

自己愛型人間を人格障害まで変貌させないためにも、自分の意思をしっかりと持つ人であってほしい。


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