与え上手は、受け取り上手とは限らない

大した物や言動でもないのに、ちょっとなにかをあげるだけで、他者からとっても喜ばれる人がいます。

また「あんなに一生懸命その人のために尽くしたのに、その仕打ち?」と驚くようなリターンがある人もいます。

お金の貸し借りでもすんなに返ってくる人がいるかと思えば、毒づかれたりしたあげくに返ってこないという人も。

いい人を演じようとするからダメなのだとか、お金なんてそもそも貸し借りしてはいけないのだとか、いろんな意見があるかと思います。

それもそうなのですが、それにしては結果が極端に違いすぎます。

そこで私が思うのは「与えてうまくいく人」と「受け取ってうまくいく人」という持って生まれた資質の違いが関係するのではないかと。

その視点で、少し考えてみてください。

与えてうまくいく人が受け取ろうとすると、うまくいかない

たとえば損得感情に長けている依存的な親は、往々にして「受け取る(依存心の場合「奪う」)ことへ意識が常に向いています。

これは自己承認感(自分を認める力)が低すぎて、依存対象であるターゲットに補わせようとするからです。

「補わせる」ということは補助を求めているということです。

つまり「自分にはサポートが必要だ」と思い込んでいるのです。

ところがサポートが必要だと思い込んでいるのは、自分だけだったりします。

「いつか自分は子供から、捨てられるのではないか?」とか「1人になるのが怖い」という潜在意識を、我が子にサポートさせたりします。

そうしてこれらの人たちは側からは、男女関係なく見た目、性格ともに魅力的な人が多いのです。

そこで「(依存対象の)お子さんと、1日2人きりでデートをしてみては?」という提案をすることがあります。

すると実行された方は「最初は『なんで?』と子供に言われたけど、満面の笑みに変わりました!」と大喜びで報告をしてくれます。

これは典型的な「与えてうまくいく人」のパターンとなります。

また与えた相手が心から喜ぶことで、自己承認感も上がります。

与えてうまくいく人は、ほんのちょっとのことでも効果は絶大なのです

前述したように与えてうまくいくひとには、魅力的な人が多いのです。

たとえば大好きな俳優さんや、女優さんだと想像してみてください。

そうしてその俳優さん女優さんから、握手されただけでも天にも昇る勢いになります。

そんな憧れの対象から自分のことを「1人の個人」として知ってもらえるだけで、嬉しくないですか?

ましてやデートをするなんて、夢のまた夢のようではないですか!

受け取る側からすると、ちょっとそれに似た感覚なんです。

だから自分が疲弊するような与え方を、する必要はありません。

物でも優しさでもちょっと与えるだけで、他者を魅了する力を持っているのですから。

与えるとうまくいく人たちは少し与えることを意識しただけで、ものすごいリターンがくるのがメリットなのです。

与えてうまくいく人が、与えたのにうまくいかないとき

ただし少し与えて大きなリターンを得やすい人たちには、少し受け取っただけでダメージを受けやすくなるデメリットがあります。

本来与えてうまくいく人が、与えてもうまくいかないことがあるときは「過剰に」受け取っている可能性があります。

それは見返りを期待してしまっているときか、相手にとって不必要なものを多く与えたときに起こりやすくなります。

たとえば話を聞いてほしい人の、話を聞くことは「与える行為」ですね。

「聞いてあげている」わけですから。

ちなみに自分が聞かせてほしい話を、相手から聞かせもらうのは「受け取る行為」です。

与えている側がここでは聞いてあげているわけだから、自分の話も聞いてもらおうとすると「取り引き」が発生します。

取り引きとなると与える側と受け取る側が、一定のバランスで保たれなければ成立しません。

それなのにちょっと与えるだけでうまくいく人が、受け取るとうまくいく人と同じだけ聞いてもらったとします。

するとバランスは崩れて、多く奪われたような印象を相手へ与えてしまうのです。

与えてうまくいく人のお金の貸し借り

与えてうまくいく人は気っぷの良さから、お金を貸す際に「あげる覚悟」をしてしまうことが多いです。

残念ですがそのマインドが相手へ伝わり、返ってこなくなってしまうことがあるのです。

だから与えてうまくいく人は相手が「3万円貸して」と言ったら、1万円しか貸さないなど少額に抑える。

お金だってちょっとのことで、自分は相手へ充足感を与えることができると信じてください。

そうして「あげる覚悟では貸さない。必ず返してもらう」という工夫で、返ってくる率が高まります。

受け取ってうまくいく人に、与えたがる人が多いのは?

一方で「自分は与える一方なのに、どうして相手のハードルがどんどん上がるのでしょう?」と最後は、マウンティングまでされてしまう人がいます。

もちろんこの中には「与えてはいけない人」という人たちも含まれています。

「与えてはいけない人」というのは、上述した与えるとうまくいく人たちのことです。

与えるとうまくいく人へ「受け取らせる」と相手へ違和感を与えてしまいやすい。

けれども「与えてもいい人」までモンスター化してしまうのは、受け取り方が消極的だから。

受け取り上手になると、相手のモンスター化を回避できる可能性が出てきます。

うまくいかないときは、受け取りたくないものや感情を、無理して受け止めている可能性があります。

あるいは「もらったら必ず、お返ししなければ!」といった信念のもとに、受け取ることそのものを罪悪視か嫌悪をしている。

律儀な親に育てられた人に、よく見られる考えです。

また言いたくないお礼や、したくもない相手へ賞賛(いわゆる「おべっか」)を与えてしまう。

これも受け取るほうがうまくいくのに、相手へ無駄な感情を与えていることになりますよね。

上手な受け取り拒否も、受け取り上手です

人になにかプレゼントをしようとした際に、喜んでもらえるかどうかは相手へ託されます。

もし自分が「受け取るとうまくいくタイプ」だったとして、欲しくないものがきてしまうとします。

そんなときに「いらない」と返すこともできますが「ありがとう」と伝えて、密かに誰かへあげることもできます。

どちらがいいかは相手次第ですし、あらかじめ「気持ちだけで十分です」と伝えておくのも手だと思います。

とにかく与えてうまくいく人と同様に、受け取ってうまくいく人は、ちょっとのことを受け取っただけで相手を喜ばせます。

ということは頑なに拒否をすると、与えてうまくいくタイプからは「強烈な排除を受けた」といったイメージを与えるのです。

もともと受け取ることでうまくいく人ですから、お金を貸すことはうまくいきづらい。

また受け取ってうまくいく人が、貸したお金が返ってこないのは「返して(受け取らせて)」と言っていないことも考えられます。

だからお金の貸し借りをしないのがいちばん賢明ですが、止むを得ず貸してしまうこともありますよね。

あらかじめ自分がどちらのパターンかを知っておくことで、悲惨な結果を回避できる可能性が高まります。

どちらのタイプかは、過去の自分の対人関係ですぐにわかります

自分がどちらかわかりづらいのは、逆パターンをしてしまっていることが考えられます。

そこで日頃どういった感情を抱きやすいかから、考えてみるといいと思います。

欲しくて欲しくて仕方がないのに、自分の望むものが手に入らない。

そういう人は与える側になってみて、相手の反応を見てみるといいです。

「こんなのでいいの?」という気軽な言葉がけや品物でも、喜ばれたなら与えてうまくいく人。

ただし自分の不要な物を押し付けるのではなく、ささやかでも自分が喜びを得られた物事です。

「与えたい」という施しの精神が強いと思い込んでいるのに、好意を与えるとマウンティングされてしまう人。

こういった人は、受け取る工夫をしてみてください。

男女関係なく「わーい!」と無邪気に喜んでみたり「いいの?」と嬉しそうに相手からの感情や、品物を受け取ってみてください。

ただし本当に「嬉しい」と感じた物事に対してです。

どっちの資質であっても、時と場合によって変化させるものではありません。

資質ですから「得意分野」なのです。

得意分野と不得意分野、どちらを使った方がうまくいくかは、もうわかりますよね?

傲慢にならないようにだけ気をつけて、続けた方がスムーズに生きていけます。

これだけで自分と自分の周囲が、気持ち良く循環し始めたらとても楽だと思いませんか?


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