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質問責めに疲れた〜!
母がCTを撮っている間も、こちらはじっとはしていられません。
入院手続きをし終わると、今度は看護師さんから次々と用紙を渡されます。
緊迫した時間が続き、私の思考も疲れが出てきました。
何度も母の名前、私の名前、緊急連絡先をいろんな書類に書き続けると、ちゃんと間違わずに書けているのかさえわからなくなってきました。
記入している間にも、看護師さんから質問がきます。
・入れ歯はしているか?
・インプラントはしているか?またその種類は?
・ペースメーカーは入っているか?
・人工関節などの金属は入っていないか?
・これまで薬でアレルギー反応が出たことは?
・タバコや飲酒は?
・手術をしたことはあるか?それはいつ?なんの病気で?
・入院したことはあるか?それはいつ?なんの病気で?
・現在通院をしているか?
覚えているだけでこのくらいですが、これらもあらかじめ知っておいた方がいいようです。
なかなか家族の手術や、入院した年度(年齢)って覚えていませんよね?
即刻決めなくてはならない最も大切なこと
「CTではわからないって!」と看護師さんたちの慌ただしい声が聞こえてきます。
やがて担当医の先生が出てこられて「今CTでは(脳梗塞が)写らなかったから、MRIを撮っているんです。その結果が出るまでこの書類に目を通しておいてくださいね」と手渡されました。
書類には血栓溶解療法(tPA静注療法)についてと書かれていました。
ここからは医師から渡された書類をそのまま丸写ししています。
ご興味のある方はお読みください。
ご興味がないようでしたら次の小見出し部分に、私のザックリとし過ぎな要約だけでもお読みいただければと。
オレンジ色の文字の部分が私のそのときの思いです。
脳血管が細くなったり、血のかたまり(血栓)が詰まることで、脳に酸素や栄養が送られなくなり、脳細胞が傷害される病気を脳梗塞といい、手足の麻痺、しびれ、言語障害、めまい、意識障害などの症状が出現します。
脳梗塞の治療は、できるだけ早く(症状が現れてから4.5時間以内)脳血流をよくすることが大切です。
血栓溶解療法(tPA静注療法)は、血管に詰まった血栓を溶かすことにより、脳への血流を回復させ、症状を改善させようとする治療法です。
方法:この薬は症状が現れてから4.5時間以内に1時間かけて点滴します。
効果:米国の臨床試験で、tPAを使った人の39%が、3ヶ月後に障害のない状態にまで回復し(使わなかった人は26%)、3ヶ月以内の死亡率は17%(使わなかった人では21%)でした。障害のない状態の回復率(13%アップ)も、死亡率の比較(4%ダウン)もなんだか微妙なんですよ。もっと劇的にアップするというのなら迷わないのですが…….
日本の全国調査(2005年〜2007年)では、tPAを使った人の33%が障害のない状態まで回復し、死亡率は13%でした。もう少し最近までの長期的なデータが欲しいなぁ、それにtPAを使っても死亡率が13%もあるのね
副作用:この薬の特性から最も多い副作用は出血です。その程度は様々ですが、特に「出血性脳梗塞などの頭蓋内出血」に注意する必要があります。
脳血管が詰まるとその先の血管も酸素不足のためにもろくなります。
tPAにより血栓が溶けて詰まった血管が開通すると、この血流に耐え切れず、血管の壁が破れて出血を起こします(この現象はtPAを使用しなくても起こることがあります)。
この程度は様々で、CT検査で初めてわかるものから症状が悪化するもの、場合によっては生命に関わるものまであります。
米国の試験では「症状の悪化を伴った頭蓋内出血」は6.4%で、うち死亡率は2.9%でした(tPAを使わなかった人では0.6%で、うち死亡率は0.3%でした)ふぇ〜ん、使わない方が出血しないじゃんか〜!
日本の全国調査では、4%でした。その他の副作用として、胃腸、膀胱や肺などの出血、出血に伴う貧血、血圧低下、発汗、熱感、発熱などがあります。いずれも1%未満です。
当院脳卒中センターにおいては2005年度より本療法を開始し、約400例の経験がありますが、効果、および副作用は全国調査とほぼ同等の成績です。
患者さんや患者さんのご家族の方が我々の計画している血栓溶解療法(tPA静注療法)を拒否され経過観察を希望されても、不利益は被りません。
すなわち治療途中で退院を早めるとか、あるいは今後診療治療を行わないなどのことはありません。
この微妙なデータ……どう考えるといいのか???
この副作用が出たら恐ろしいという薬剤の使用を、母がMRIを撮っている間に決断せよと言われたのです。
「使用することがいいのか悪いのか、副作用のリスクが大きいだけに判断できない薬」というのが、読んだときの感想です。
しかも搬送までの緊張で既に私にヘバリが出始めていて、ヘロヘロの状態の中決めなければなりません。
もうこうなったらMRIにも脳梗塞は写らなかったという新たな展開(つまり脳梗塞ではなく、母の仮病だったということ)にすがりたくなるほど決断が難しい。
だって要は血液をサラサラにしないと、このままでは脳の血管が詰まって脳細胞が死んでしまうかも?
だけど血液をサラサラにしたら今度は、すごい勢いで血が流れ始めて、血管のもろい部分が破けるかもしれませんよ!
しかも胃腸なのか膀胱なのか肺なのか、どこの血管が弱って破れて大出血起こすかも予測はできません!
さぁ固まった血が脳細胞を破壊してしまう前に、血液がサラサラになっても耐えうる強ーい血管があることに賭けて薬を使いますか?
っていうことなんですよね。
延命治療のように、事前に本人や自分の希望を決めておくこともできるのでは?
保証のないギャンブル(一か八か)のような薬だと思いました。
母の血管の強さなど、わかりません😭
しかもこの薬は「4.5時間以内に使います」と説明されていますが、4.5時間(4時間半)を超えると使えなくなる薬なのだそう。
この時点で母の体に麻痺が起きてから、2時間半近くが経過しています。
確かに病院へ搬送されてから速攻でCTとMRIを撮るために、最低でも30〜40分を要します。
4.5時間以内に薬の投与をする時間から逆算すると、3時間以内に発見されなければ間に合わないということがやっと理解できました。
迷っている時間はそんなにありません。さあどうする???
判断はさまざまでしょうし副作用が起きた場合も命に関わる、リスキーな薬剤です。
けれども脳梗塞の早期発見の場合この薬の選択肢が増えることが、発症から3時間以上経過して発見された人と大きく違うメリットなのだそうです。
事前に副作用までよく理解をされたうえで「誰にでも起こりうる病」ということと「発症して投与が間に合えば、後遺症や死亡しない可能性が広がる薬」ということを、元気な時からご家族で話し合いをされておくのも1つの考えかと思います。
縁起でもないと思われるかもしれませんが、いざという時に延命治療をするのかしないのか?と同じように捉えてみてはいかがでしょうか?
つづく
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