d1b31b5a848162322708bdc66aa25deb_m

ふわふわとした柔らかな印象の女性。
傾聴ライティング第6弾にご応募してくださった、
東京都在住、西田さん(30代)は透けるように白い肌、ウェイブのかかった茶色い髪。
よく笑うし、笑うときに見せるいたずらっ子のような表情。
とても魅力的なお嬢さんに見える。

こちらからの質問にも明確に迷いなく、テキパキと答えてくれる頭の良さもある。

けれども西田さんは過去の幾つかの経験で心が傷つき、人間不信に陥ってしまっているという。

友達にも「嫌われてしまうのではないか?嫌われたくない」という恐れがあるし、
恋人を作りたくても同じ理由で、なかなか踏み込めないでいる。

人間不信を生み出した数々の原因

中学時代にさかのぼる。
西田さんのいたクラスで仲良くしていたグループがあった。
中学に入るといじめにあったことがあり、

その他のいじめられっ子の男女で集まったグループだった。

西田さんは成績優秀の生徒だったけれども、その他の子たちは落ちこぼれ。

だんだんと落ちこぼれ同士でグループ内恋愛が始まり、
西田さんは「なにもそんなに狭い世界で恋しなくてもいいんじゃないの?」
と思いながら勉学に励んだ。

高校は進学校へ入学した。
グループの子たちとは違う学校へ行き、高校生活を過ごしていた。

そんなある日、中学時代のグループの一員だった男性から電話がかかってきて、
唐突に「やらせろ!」と言われた。

その男性に西田さんは中学生の頃、好意を寄せていた時期があった。
それだからこそ彼のストレートすぎるデリカシーのない要求に傷つき、心が凍てついた。

思いあまって母親に相談をしてみると、母からも思わぬ返答が帰ってきた。

「モテてよかったわね」

話を聞いている私まで、思わず口をあんぐりと開けてしまった。
男性から傷つけられ、母親の発言に傷ついた西田さんは、
次に高校の友人にこのことを打ち明けた。

その友人は幸いなことに一緒に怒ってくれて、
「信じられない!お母さんは娘のことをライバルと思っているのかな?」
と西田さんを励ましてくれたことで、少し気を落ち着けることができた。

けれどもその男性はその後ストーカーに変貌した。
待ち伏せをされるようになり、約3ヶ月間ものあいだ西田さんを執拗に付け回した。

母がその男性の家族へ「もうやめてください」と言ってくれたことで、
ストーカー行為は止んだのだが、その間1人の女子高校生の受けた心の傷は想像にあまる。

この事件のせいで地元の中学時代の友人との関わりを、長年避けるようになる。
成人式にもストーカー男性と会う可能性があるので、欠席をした。

すると同居している祖父から
「一生に一度のことなのに、行きなさい!」
と言われ、再び傷ついた。

「私がストーカーされていたこと、おじいちゃんは知らないじゃない!」
祖父がショックを受けないよう、数年間心のうちに収めていた傷をえぐられてしまった。

事情を知らない祖父が、孫可愛さに言った発言ではあっただろうが、
西田さんがやり場のない怒りに駆られるのも、当然の話だった。

誰も本当の私を知らないくせに!

幼いころから勉強をするのが大好きだった西田さん。

けれども母は、女性としてのたしなみを身につけさせたがった。
家事をするのも大切だと言うのはわかるが、それをしない娘を責めた。
「気が利かない子、家のことはなにもしない」と言われていた。

「(大好きな)勉強以外のことはさせないで!」
というのが当時の西田さんの本音だったが、
そこは理解をしてもらえず、中学の頃から西田さんの精神はうつ傾向にあった。

そんな母の指摘も手伝ってか、中学生のころ一度だけ料理をしたことがある。
すると母だけではなく父や妹までが西田さんの手際を見て、
「材料の切り方が悪い、台所をきれいに使わない」と批判をした。

今思えば「気が利かない、家のことがなにもできない」と言われても仕方がないと思っている。
実際にできていなかったのは事実だから「そりゃ言うわ」と思うし、
できたに越したことはないと自分でも思っている。

けれどもこういった指摘は家の中だけのことだった。
外では「よく気がつく、よくできる子」という真逆の評価を得ていたのだ。

それゆえこれまで家族から言われ続けた数々の言葉に、深く傷ついてきた。
「モテてよかったわね」
「成人式に出ろ!」
「気が利かない、家のことがなにもできない」
「調理をするのが下手」

家族からの評価が逐一
「私のこと(本当の気持ち)をなにも知らないくせに!」
と心に突き刺さり、傷が癒えないままでいる。

中学の頃からうつ傾向にあった西田さんは、現在も情緒が安定しない時期がある。
そんなときに幾度となく母に
「モテてよかったわね」と言われたことを謝ってほしいと訴えている。

確かにこの発言は性被害に遭っている者を、冒涜している。
ましてや思春期の女の子が、
自分の母親から言われたらどれほどのショックだっただろう。

けれども母は
「肉体的な魅力もモテる要素のひとつと言っただけで、
娘を傷つけるつもりで言った言葉ではない」
と決して謝ってはくれない。

西田さんは、自分の心の傷を癒す方法を積極的に探している。

傾聴ライティングにお申し込みされたのもそのひとつだが、
最近ブログでの連載企画で「お母さんとの思い出」というものに投稿をしている。

投稿したことでわかったのは、
「皆んな結構いろんなことがあって生きているのだな」
ということだった。

お母さんとの楽しい思い出話ばかりが集まるかと思い、
自分の辛い体験の投稿は浮いてしまうのではないかと思いながら投稿をした。

投稿をした年齢層も自分と同年代、もしくは少し下の人たちのものだった。
どの投稿も100%母親との仲良しは、ほとんどいなかった。

これを見て
「それでもいいのか。皆んなそれぞれあって、生きているのか」
と自分だけが辛かったわけではないとわかり、書いてよかったと思うことができた。

第2話につづく


投稿がお気に召しましたら、ポチッとクリックをお願いします!

↓いつも応援ありがとうございます。

にほんブログ村 家族ブログへ