前日の投稿 母が脳梗塞になりました 〜前兆もなくいきなり麻痺が起こる病気です。家族としての対応は?はこちらから

「うそ!ノウコウソク⁉︎」

救急隊員の方たちが到着して迅速に血圧測定や心拍数を計っている間も、母へさまざまな質問を投げかけます。(これは意識レベルなどを知るためでもあります)

母はその日の日付、麻痺が起きて私へ電話した時間などを聞かれると、明確に覚えていて答えることができます。

「頭はハッキリしているし、ろれつも少しマシになっている。救急隊員も『大丈夫です!』と言って帰られるのでは?」と思いました。

隊員の方は母に不安を抱かせないよう世間話を交えてくれるなど、深刻さを感じさせない優しい対応でしたので少し油断していました。

一通りチェックが済むと「脳梗塞を疑っています。これから搬送先を問い合わせます」と説明をしてくれました。

「うそ、ノウコウソク⁉︎大丈夫って言うんじゃなかったの⁇」思っていたよりずっと深刻な病名を告げられ、頭をハンマーで殴られた気がしました。

昨日も書きましたが我が家はこれまで脳疾患の者はおらずガン患者が多く、脳の病気になる人間が出るとは想像だにしていませんでした。

イルカのように運ばれて行きました

搬送先の1件目は断られてしまい、2件目の少し遠い病院で受け入れが決まりました。

救急隊員の皆さんが到着して約20分後に搬送先が決まると、クルクルと丸めたマット状のものを広げて母をその上に移動します。

救急隊員の後から到着した消防隊員の方々と一緒に、マットの端に付いている持ち手を全員で持ち上げ、エレベーターではなく階段で降りて行ってしまいました。(恐らく地震対策だと思われます)

不謹慎ながら、テレビで見たイルカを海からプールに移すときの様子にそっくりだと、運ばれて行く母を呆然と眺めていました。

私は救急の方が母の処置をしてくださっている間に、母の靴、上着、保険証などを紙袋にまとめていました。

「戸締りや火の元の確認をして、急いで救急車へ同乗してください」と促されました。

あと30分ほどで実家暮らしの妹が、仕事から帰ってくる時間帯になりました。

驚かせないよう電話をしておこうとしましたが「救急車の中でも電話は掛けられるので急いでください」と言われて戸締りをします。

まぶしすぎるほどの、救急隊員の神対応

救急車の中で母は酸素マスクを着けてもらい、息がしやすくなったようでペラペラと話をしています。

救急隊員の方は「それはすごいですね」とか「そうですか」など母の話を邪険にすることなく、明るく丁寧に対応してくださる姿には後光が差したかのように見えます。

けれどもこの対応にはワケがありました。

患者を絶対に興奮させてはならなかったのです。

入院した翌日知らされたのですが、病院へ到着した直後の母の血圧は上が246まで上昇していたそうです。

そんなに高い血圧でよく死ななかったものだと思いますし、救急隊員の皆さん本当にありがとうございます。

発症から3時間以内に発見しないと難しい

救急車に乗る前に妹へ電話をしたかったのは、突然電話越しにサイレンの音を聞かせて怖がらせたくなかったからです。

できれば病院へ着いてから電話をしたかったのですが、病院に到着する前に妹が自宅へ戻り仰天することも考えられました。

背に腹を代えられずサイレンの音のする中で電話をすると、まだ帰宅途中だった妹はやはり驚いて少し声が震えていました。

そうして妹もすぐに病院へ向かうと言いましたが、診断が出てから持ってきてもらわなければならないものがあるかもしれないので、今は大丈夫だから実家で待機しておいてほしいと伝えました。

電話が終わると救急隊員の方から「素晴らしいです!しびれが出てすぐに娘さんが(実家へ)到着して、すぐに119番通報をされたこと!」と母と私を賞賛していくださいましたが、私はきっと母を元気付けてくれるための褒め言葉だと受けとめていたのです。

しかしながら、そうではありませんでした。

救急隊員は私へ向かって「症状からしてお母様はほぼ脳梗塞かと思われますが、脳梗塞の場合発症して3時間以内に発見できるかが、その後の生存率も後遺症の可能性も大きく変わってしまうんです」

これまでの記述の通り母の容態の深刻度は少しづつ薄れていて、私も何度も「大丈夫ではないか?」という気持ちになりました。

けれどもこの病気の怖さはこのように、一時的によくなったかのように見えて様子を見てしまうところなのだそうです。

それゆえ全体的に3時間のタイムリミットに間に合わない方が多いそうで、救急隊員の皆さんに取っても時間の経過が何よりも重要なのだそう。

救急隊員の皆さんの「患者の命を助けたい」という気迫を感じ、心から頭の下がる思いでした。

すぐに駆けつけられなかったら、母はどうなっていたの?

一方でタイムリミットの話を聞いて「もし自分がすぐ駆けつけられる場所にいなかったら、どうすればよかったのだろう?」と怖くなりました。

母の麻痺が起こった前日も翌日も私は1日中家にはいない日で、その日だけたまたま早くに帰宅して駆けつけることができたのです。

しかも母から電話を受けただけでは重症度がわからず、119番通報した方がいいのか?それとも様子を見た方がいいのかも迷っていました。

もし今後すぐには駆けつけられない場所にいて119番通報をした方がいいのか判断がつかない場合と、鍵が内側から閉められている場合は、どのように動けばいいのかと聞いてみました。

すると鍵が掛かっていても開けられるから大丈夫なことと、最悪開けられなければ高所でもハシゴを使い、バルコニーから窓を破って入ることもあることを教えてくれました。

これまでに入れなかったお宅はありません。姿が見えなくても言語障害などの麻痺が出ていたら、遠くへいても迷わずすぐに救急車を要請してください」とのことでした。

家を出ておおよそ40分後に救急車は病院へ到着し、母はCTを撮りに行ってしまいました。

これまでの所要時間

麻痺が出てから私が実家へ駆けつけるまでの所要時間 約20分弱。

救急車を要請して、隊員の皆さんが到着してくださるまで 約20分。

救急隊員の実家到着後、処置及び救急車へ運び込むまで 約20分。

実家から救急搬送先の病院まで 約40分。

病院へ到着するまでのトータル 1時間40分

取り急ぎ麻痺を発症してから3時間どころか1時間40分で到着をしています。

「母の命は助かった」と胸をなで下ろしての病院到着のつもりでいました。

ですがここからが本当の時間との戦いだと、その時の私は知るよしもありませんでした。

つづく


投稿がお気に召しましたら、ポチッとクリックをお願いします!

↓いつも応援ありがとうございます。

にほんブログ村 家族ブログへ