母は現在退院してリハビリ中です、ご安心ください

唐突なタイトルでお騒がせしてしまいますが、母に脳梗塞が起きたのは今年5月入ってすぐのことです。

母(76歳)はおかげさまで2週間の入院を経て退院をしています。

ありがたいことに後遺症もなく、現在は入院中に弱ってしまった体力や筋力を回復させるためのリハビリ中です。

ご心配には及びませんので、どうぞご安心を。

ただこの病気は老若男女誰にでも起こる可能性があることを、母の担当医師から伝えられました。

脅すわけではありませんが、20歳の患者さんもいらっしゃるとのことです。

「脳梗塞を防ぐ」ための知識はテレビやネットでも得られます。

けれども起きてしまったその瞬間からどうするか?ということに関して私はまったくの無知でした。

我が家には家族および親戚にも脳疾患の人間が、これまで身近にいなかったことも症状を見てわからない原因でもありました。

脳梗塞だということが判断できたなら母の様子を見に行く前に、すぐに救急車の手配をしたことでしょう。

しかしながら連絡を受けた時点では「疲れ」「加齢による筋力の弱り」「一時的な発作」のようにも思えました。

母から連絡がきて「なにが起きたのか?」という疑問を抱き、実家へ駆けつけて実態を目の当たりにするまで、緊急性があるのかどうかも半信半疑でした。

また医師から脳梗塞だと確定されたとき、立会人はどうすることが最善なのかを学ぶ貴重な時間を与えられました。

今回なにも知らなかったにしては、たまたま母子ともに出来過ぎなほどの最善策を取っていたと医師から伝えられました。

対応を誤っていたなら、こういういい結果には結びつかない可能性があったということでした。

また私同様発症時の症状、対応策を知らない方もいらっしゃるのではないかと感じ、この情報がどなたかの今後の参考になればと発信することにしました。

あくまでも私の母のケースなので、症状の重度や家族構成によっても対応は変わると思いますことをご了承のうえお読みください。

ろれつの回らない電話

5月に入ったばかりのある日の夕方、私は自宅にいて早めの夕飯の支度に取り掛かろうとしていたときでした。

母から携帯に着信が入りました。

するとろれつの回らない口調でよく聞き取れず、かろうじて「左半身がしびれて動けないの」と聞こえました。

今どこにいるのかと聞くと、家だと言います。

「わかった、すぐに行くね。先に救急車の手配をしようか?それとも私が先に着いた方がいい?」と聞くと「きて」とひとこと言います。

取るものもとりあえず、上着を着て実家へ向かおうとすると母から再度着信が。

「ごめんね、ドアの鍵を開けに出れないから、合鍵を忘れずに持ってきて」と言われて「そうだった」と気づきました。

2回目の電話のろれつはさらに回らなくなっており、きっと親子でなければなにを話しているのか聞き取れなかったと思います。

そのとき一瞬疑問が頭をかすめました。

母は携帯のアドレス帳検索やリダイアル機能を使うことを嫌い、頻繁に掛ける相手の電話番号を暗記して手入力でかけていました。

私の携帯へ2度も長い番号を入力できるものなのか?

もしかして大げさに言っているだけで、実は大したことがないのではないか?という希望的観測が頭をよぎります。

しかしながら見てみないことにはわからないと思い、確かめる意味も含めて急いで向かうことにしました。

実家へはわずか徒歩15分の距離ですが、タクシーを拾い実家へ向かいました。

横たわる足だけが見えてドキリとしました

実家のドアの鍵を開ける際「しまったチェーンがかかっていたら面倒だ」と思いました。

ドアチェーンを簡単に開けられることはネットで知っていましたが、咄嗟のことで必要な梱包用テープを持ってきていませんでした。

幸いチェーンはかかっておらず、解錠のみで入室できました。

それ以来実家の合鍵を入れている小型ポーチに、チェーンを外すためのテープも一緒に入れています。

ドアを開けると玄関の前の廊下の真正面にあるリビングのドアが開いていて、そこから足のみが見えていました。

正直「死んだか?」とヒヤリとしました。

上半身は見えていませんし、ダラリと足に力が入っておらず、生きている気配が感じられなかったのです。

リビングへ入るとダイニングテーブルの椅子の下に、頭が入り込んだ状態でひっくり返っていました。

「きたよー」と話しかけると「ごめんね」と答えたので「生きていた」と内心ホッとしました。

母は背中を食器棚にぴったりと着けた状態で、麻痺した左半身を下にして横向きに横たわっていました。

椅子から転げ落ちたのかと思い「頭打った?」と聞くと右手を振って、打っていないというジェスチャーで答えます。

椅子をどけて母の手を握ると左顔面が垂れ下がっていて、口はポカンと開いたまま涙を流していました。

このときやっと緊急事態だということが、理解ができました。

手を握ったまま「救急車を呼ぶね」と声をかけて119番にダイアルをしました。

一旦電話を切るように言われて、待つことにします。

その間母の意識が遠のかないよう話しかけ続けますが、用心して母の体は動かしませんでした。

セリ:「なにをしているときに、こんなになっちゃったの?」

母:「書道を書いていたの、そうしたらビリビリって電気が走ったみたいになった」

セリ:「朝からずっと書いていた?」

母:「朝は河原ですぎなを摘んで、お昼はベランダのお花をご近所さんに届けた(なんの前兆もなかったようです)」

セリ:お昼は食べたの?

母:「サラダとベーコン」

セリ:「しびれはいつ出た?朝からあった?」

母:「(しびれが)出てすぐ(私に)電話した」

自分と家族の情報は、わかりやすい場所へ書き出しておくことをお勧めいたします

そんなことを聞き出していると、折り返し救急隊員から電話がかかってきました。

・母の意識はあるか?

・現在の状況

・私と母の続柄

・母のフルネーム

・生年月日

・年齢

・かかりつけの病院の有無

・持病の有無

・症状はいつ起き始めたか?

・なにをしている最中に起こったか?

・母は一人暮らしか?

・誰と同居をしているのか?(妹)

・私はどのようにして、この事態を知ったのか?

・母から連絡があって実家に到着するまで、何分かかっているか?

・私の住んでいる場所

こういったことを聞かれます。

簡単な質問でも動揺しているときに、矢継ぎ早に聞かれるとサッとは答えられないものです。

また私が知らなかったのはかかりつけの病院名(腰痛で行っていた整形外科と、風邪をひいたときに行く内科)でしたが、母に意識があったため聞き出すことができました。

親の生年月日などを忘れている方や、かかりつけの病院、持病の有無など再度確認しておかれるとその後の処置がスムーズです。

なにしろ咄嗟のことなので、私のように動揺して思い出しづらい(住所の番地など)部分もあるかと思います。

自分の情報もご家族の情報も書き出しておき、誰もが見える場所へ置いておくといいかもしれません。

脳梗塞は発症から病院で診断を受けるまでの「時間の勝負」が結果を左右する病気です!

また母から何時に連絡が入ったかは覚えていましたが、私が実家に到着した時刻は時計を見ていませんでした。

なぜこのように時刻を詳細に聞かれるのかも、そのときは意味がわかっていませんでした。

実家に到着してすぐに119番通報をした履歴が携帯に残っていたので、到着時間を答えることができましたが、後からこの病気は「時間の勝負」だということを知りました。

もしこのような事態が起きたときは、必ず経過時間の確認と記録を取っておかれることをお勧めいたします。

この病気は発症から3時間以内に発見をして、4時間半以内に薬を投与できるかできないかで結果が分かれるということです。

今回は母から連絡を受けた10分後に実家へ到着した私が救急車を呼び、病院に搬送されてから検査で正式に脳梗塞だと診断されるまで2時間以上かかっています。

これでもものすごくスムーズな連携でした。

それと救急車を呼ぶか呼ばないかの判断は、しびれではなく「麻痺があるか」だそうです。

ろれつがまわらなくなったり半身が動かなくなったら、即刻119番通報をした方がいいとのことです。

長くなったので、明日また具体的に詳しいことを書きます。

〜明日につづく〜


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