子供のころは歳時記を通して、ご先祖様を敬う精神を教えられていました

夏は毎年九州の父方の祖母の家へ全員集合して、毎日たくさん蚊に刺されながら遊んでいました。

そうしてお盆の初日には火の点いていない提灯を子供は持たされて、祖父の眠る納骨堂へ従兄弟たちとワイワイと向かいます。

納骨堂でお参りした後は納骨堂のお仏壇のロウソクで、提灯の火を灯し祖母の家へ持ち帰りました。

持ち帰った提灯の炎で仏壇のロウソクを灯すと、祖母が嬉しそうに「おかえりなさい」と炎に声をかけます。

小学校中学年くらいまで、その意味など知りませんでした。

ただ従兄弟たちと楽しく遊ぶことができる、年に1度の恒例行事としか思っていません。

夜になるとお座敷いっぱいに、ありったけの布団が敷かれて従兄弟たちと雑魚寝です。

必ず年長の従兄弟の誰かが年下の子たちを怖がらせるために、怪談話を始めます。

「きゃー、やめて」とお布団に潜っている間にウトウトと眠気に襲われて、1人が眠りに就くといつの間にか全員眠っていました。

お盆は父の好物だった五目ご飯で送りました

五目ご飯

五目ご飯

こんな記憶が蘇ってきたのも、送り盆の日に五目ご飯を食べたからです。

亡父は祖母の作る五目ご飯が大好物でした。

祖母はお盆になると大量の五目ご飯を炊いて、子供や孫たちにお腹いっぱい食べさせていました。

たくさん作るのに食材を刻む手間暇がかかりますが、おかずが要らないので人数が多い日の定番メニューだったようです。

それを父が「うまい、うまい」と何杯も食べていた姿が思い浮かび、同時にお盆のときの過ごし方が思い出されました。

縁側の陽だまりで祖母の育てたスイカを食べて、水鉄砲遊びや花火、けたたましい蝉の鳴き声。

冬の餅つきなど、遊びの中から歳時記を楽しく学ばせてもらっていました。

そうして親族同士が仲良く暮らす大切さやご先祖様を敬う気持ちを、勉強という形でなく教えられたのです。

今思い返すと大人たちが子供たちに伝えてくれた、贅沢なプレゼントだったのだと感じます。

そのときは、誰もが笑顔だった

親は自分の兄弟に会える喜び、姪や甥の成長の話をして楽しそう。

そうして父は祖母に甘えている。

五目ご飯を食べただけでこれだけの記憶がよみがえるのは、そんな光景が嬉しかったから、幸せだったから。

そうしてもう戻ってこない時間を、これから作り出すことはできないかな?と思ったから。

中とろとサザエのお刺身

中とろとサザエのお刺身

お盆なのでちょっと豪華に、マグロの中とろにしよう!

海水浴気分が味わいたくなったので、サザエのつぼ焼き

海水浴気分が味わいたくなったので、サザエのつぼ焼き

本当はお盆前に海水浴へ行くつもりだったのですが、宿の都合がつかずおあずけになりました。

せめて磯の香りを感じようと、サザエのつぼ焼きにしてみたのです。

サザエとスパークリングワインの相性は抜群です

サザエとスパークリングワインの相性は抜群です

このようにタイムスリップや場所のワープは、どこにいても五感のどれを使っても可能です。

五感を使用する過去記事はこちら→トラウマを感じたとき、五感を使って心を落ち着かさるひとつの方法

幸せな記憶は多ければ多いほど、これから生きる教師となる

どんな境遇で育っても、ひとつも幸せなことがなかった人はいないでしょう。

もしなかったならつらすぎて、今頃生きてはいないのではないでしょうか?

その素敵な記憶をもう1度引っ張り出してきて、同じ経験をすることはできませんか?

子供のころは大人が与えてくれなければできなかったことでも、今なら自分で作り出せる。

幸せな記憶をひとつひとつ増やしていくことで、人は強くいることができます。

子供の時分に傷ついたことは、今同じことをされても傷つきます。

けれども喜びも同じで子供のころ嬉しかったことは、永遠に自分を喜ばせてくれるものです。

それほど人間の根っこにある趣向というのは、良くも悪くも根深いのです。

あなたが幸せだったことは、あなたにしか探すことができません。

探して追体験してみてください。


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