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スーパーをウロウロしていたときのこと。

「ハーイ!私たちお友達よー!」
と手を振る店員さんがいた。

私に声をかけているとは思わず、
通り過ぎようとすると、また同じセリフで話しかけてきた。

新手のセールス方法か?
だいたい知らない人から
「お友達よ!」
と声をかけられたことなど、これまでに1度だってない。

するとその人はマスクを取り、自分の名前を言った。
名前を聞いて高校の同級生だということがわかった。

だけど私の行っていた高校は、九州だ。
まさか東京のスーパーで会うとは思わないし、
名前を言ってもらうまでわからないほど、
まったく高校時代の風貌とは違っていた。

そういう私も高校時代からだと10+?キロも太っている。(笑)
よくぞ私のことを見つけてくれた思った。

彼女は派遣社員としてしばらくはそこで働いているから、
またきてねと言ってくれて別れた。
その後もそのスーパーへ行くたびに、
軽く会釈をしたり、手を振って挨拶をしたりした。

高校生のとき、特別仲のいい友達だったわけではなかったけど、
声をかけてくれたことで気持ちがほっこりとなり、嬉しかった。
一方、ある日カフェでランチをしたときのこと。
ランチを終えて会計へ向かおうとすると、
店員さんの1人が声を掛けてきた。

「あの、以前◯◯先生の〜講座を受けていませんでしたか?
私の名前は△です」
と言われた。

この人は名前がとても珍しかったので、
風貌はぜんぜん変わっていて
ぱっと見わからなくても、名前で思い出せた。

10年近く前に1年間受けた講座で一緒の人だった。

「あー!ご無沙汰しています」
と答えるとその人は、
ペラペラと私の連れのいる前で話を始めた。

それは私が過去に住んでいた場所や、
その当時の職業などの話だった。

そのとき一緒に食事をした相手は、
まだ知り合って間もなく、
プライベートな話はしていなかった。

知られて困るような過去はなにもないけれども、
連れの人に私の過去を知らせる必要はまったくなく、
彼女を驚かせてしまった。

声をかけてきた△さんの方は、
以前同じ講座を受けていたというだけで、
私の現在の様子を聞くというわけでもない。

ただ「私はあなたのことをよく知っているのよ」
という優位に立つためのパフォーマンスを
しにきたことが私が不快を感じた原因だった。

もちろん△さんに、悪意はない。
ただどこにでもいる
「自分の知っている情報を誰にでも披露したい人」
に他ならなかった。

現に△さんは得意げに
私の過去の個人情報を勝手に披露した後で、
私の連れに
「あの、あなたも以前お会いしたことありませんか?」
などと言いだしたのだ。

私も連れの人もこれには「あんぐり」となった。

連れは困った顔になり、
「いえ……私は……」
と戸惑いながら否定した。

知ったかぶりが外れたことを気にもせずに、
「あ、そうですか」
とそこはスルーして空気をまったく読めていないことなど、
お構いなしだ。

この△さんのパフォーマンスのおかげで、
せっかく初めて楽しくランチを食べた連れとの時間が、
台無しにされてしまい、店を出たとき無性に腹が立った。

「またきてくださいね」
と見送られながらカフェを出たけれど、
二度と行くことはないだろう。

昔の知り合いに会って、
これほどうっとおしい気分になったのは初めてのことだった。

同じ再会でも相手の節度で、こんなにも印象が変わる。

△さんと個人的に話をしたこともないけど、
私が講座の自己紹介で言った個人情報を、
何年も覚えていたのだ。

「親しき中にも礼儀あり」

自分の言ったことには責任を持たなければならないし、
今後自分が△さんから味わったような思いを、
他の人たちにさせてはならないという、痛い教訓となった。


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