なぜたった1人だけなの?
昨日の投稿で依存的な親が依存対象に選ぶ子は、家庭内で1人だけ。
なかでもいちばん共感力に優れていていて、人の感情をキャッチしやすい子を選ぶということを書きました。
その投稿はこちらから →依存親に選ばれやすい子の性質と、選ばれた子への冷遇
ここで「なぜたった1人に?」ということを、説明しておきたいと思います。
理由として2つ挙げられます。
1 :世に自分の幼児性を、隠そうとする心理から。
2 :権威、カリスマ、アイドルになりたい切望感から。
世に自分の幼児性を、必死で隠そうとする
幼児は、他者の痛みを考えることができません。
自分の欲しいものは他の子を叩いてでも、泣かせても奪おうとします。
公衆の面前でもわがままを言って、泣きわめきます。
自分のことしか考えられず、周囲の迷惑を考えることができない。
依存的な親はこの幼児の持つ本質を持ち続けたまま大人になりますが、羞恥心は異常に高く持っています。
それは過去に内なる幼児性の本質をむき出しにしたことで、大恥をかいた経験があるから。
また社会的に適応するため幼児性を隠し持ったまま、大人として振舞う必要があります。
家族の人間にでさえ全員に、自分の幼児性を感知してもらっては困るのです。
そこで依存対象を1人に選び、それ以外の家族のメンバーを自分へ懐柔させる手立てを取ります。
選ばれた子へ冷遇することで、自分の力を他のメンバーへ知らしめる
選ばれた子への冷遇は、家族の他のメンバーも見ています。
しかしながらその立場を誰かが担わなければ、家庭が機能しないことも潜在的に知っています。
「明日は我が身」ということを、他のメンバーには刷り込みがなされているので一緒になって陥れる。
そうすることで選ばれた子以外は、誰もが運命共同体のような意識が芽生えます。
すると選ばれた子が「自分だけ冷遇されている」と言っても「あなたの思い過ごしだ」と自分可愛さに誰もが説得にかかる。
そうして選ばれた子は「自分がおかしいのではないか?」という自分への疑惑と、家族への不信感を深めていきます。
けれども選ばれた子ただ1人の口を封じておけば、外部には自分の幼児性には気がつかれないという理由です。
依存的な親の願望は権威、カリスマ、アイドルになること
次に依存的な親の最終的な望みは、昨日書いた通りです。
それは自身を尊敬や権威、カリスマ、アイドルなどへ仕立て上げたいという切望感とつながっています。
ただ依存的な親の思考には「自分見て見て!」現象にも現れているよう自分を見ては欲しいけど、自分に自信がないという矛盾が生じています。
そこで自分を見てもらうためには「素敵な自分を演じなければならない」というミッションを自分へ課すのです。
素敵な自分を演じるために必要なのは、プロデューサーとファン
素敵な自分を演じるには、プロデューサー的な影の立役者と自分のファン両方が必要です。
プロデューサーは、自分の悪い面を覆い隠す役割をさせるための存在。
いちばん共感力の強い子ゆえ、親の悪い面に気がついてはいるけれども、愛情も求めている状態です。
家族から集中砲火を浴びていても、親をかばってまで素敵な人を演じさせる力を発揮します。
その力をいいことに親は自分の心の闇を一手に担わせることで、サンドバッグ状態にして親自身の幼稚な欲求を解消する。
一方でやファンの役割は自分の自信のなさに気がつかない、選ばれた子ほど共感力のない子に担わせます。
そうして選ばれた子以外の人間には、自分の優れた部分をアピールしようとします。
プロデューサーとファンの関係性がうまく機能して、初めて自分の尊厳は守られるという極めて幼稚で短絡的な発想から起こるのです。
利用を繰り返すことで、選ばれた子のマインドコントロールを深める
選ばれた子は共感力が強いゆえ理不尽な要求でも、相手の立場になって考えて動くことができます。
しかも長年応え続けることで「これに従わなければ、自分はどんな目にあわされるかわからない」と選ばれた子のマインドコントロールは深まります。
このような経緯で依存される子供は、依存的な親の自由自在に操られることになります。
そうして依存的な親は自由自在に我が子を操ることで、自己承認欲求を深めたような気になるのです。
それでも本来の自己承認欲求は、満たされていない
人間が自分に自信を持てるのは、課題をクリアしたときです。
ちょっと難しい、あるいはうんと高かったハードルを越えることで「自分はできる」と確信するのです。
それなのに面倒なことはすべて数十年に渡り、選ばれた子にさせ続けたわけです。
これではいつまでたっても、自己承認感は得られません。
これが1人だけを選ぶ理由で、選ばれた子が依存の手からなかなか手放してもらえない構造です。
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