昨日、一昨日と2話で投稿をした。
『厳しすぎた父親へ感情を露わにしたい!1』
この投稿の主人公のトモさんが、早速感想を寄せてくれた。
昨日は夜遅くまでお仕事をされていたようなのに、
率直で、丁寧な感想文が朝イチで送られてきた。
ご本人の了承を得ているので、
全文そのまま掲載をさせていただく。
自分のことのはずなのに、
第1話を読んでから、第2話はどうなっていくんだろうという
待ち遠しい思いがこみ上げて、
投稿されてからは、
帰りの道中や家で何度も何度も自分のストーリーを
読んでしまったのが不思議です。
おそらく父は、
どうしようもなく不器用な男だったんだと思います。
たった一人の息子である私への愛情と、
ちゃんとした人間に育て上げなくてはという責任感が、
記事にあったような行動に表れていたのでしょう。
また私のなかでも、
そんな父の期待に応えなくてはと焦り、
一時期はそういう父を尊敬しなくてはという
義務感を抱いていた時期があったのだと思います。
そこに限界を感じ、どこかおかしいという思いを抱いてから、
少しずつ父への憎悪を募らせていったのだと思います。
そうした父への憎悪を最大に抱えた状態で、
セリさんとお会いしました。
でしたので、
父のこれまでの悪行(と呼ぶには大げさですが)を語り
それにセリさんが同調し、
セリさんが父のことを悪く言うや否や、
父を弁護している自分が、ものすごく滑稽でした。
そしてセリさんの投稿を読んでから、
父とのエピソードをみるみるうちに思い出していったのです。
幼少期に4人で川の字になり、
その日のことをたくさん話しながら寝たこと。
20歳の誕生日の日、初めて父と外に飲みに行き、
説教ではなくこれからの人生を楽しめと言われたこと。
こうしたエピソードに蓋をして、
父に対する嫌悪感で自分を満たしていたんだと気付きました。
取材を終えたあと、
セリさんから私の他愛ない家族の話が
『悩む価値のあることなのだ』
という言葉をいただき、
どこか肩の力がすっと抜けるように感じました。
そしてセリさんの投稿を読んで、
父への感情を少しですが解きほぐすことができた気がします。
本当に今回は、ありがとうございました。
誤解のないように書いておかなければならないのは、
私はトモさんのお父さんに
お会いしたことはもちろんないし、
個人的な恨みや感情があるわけがない。
私が言った「悪口」というのは、
小学生のトモさんが口の中が血まみれになるほど
父から殴れらたという話を聞いたときに、
小さなトモさんが泣いている姿を想像してしまった。
そのとき「いやだな」
と思わず顔をしかめて言ったことだそうだ。
インタビュー中にトモさんが複雑そうな顔をしたので、
終了後に確認をした。
本人としては
「自分の生育歴を話すためのエピソードの1つなだけで、
もう過ぎたこと」
と私が心配をしないように気配りをしてくれた。
であっても、初めて会って聞く私としては、
笑いながらとか、平然と聞ける話ではなかった。
インタビュー中にトモさんの礼儀正しさや、
明確な言葉選び、意志の強さに触れるにつれ、
お父さんの厳格さの賜物だと想像した。
いくら幼い頃から武道を習っていたとしても、
これほどまっすぐな人は珍しいと感じた。
またインタビュー中も、
辛かった父とのエピソードを語った後で、
必ず父を庇うフォローを入れていた。
父子どちらも愛情があるのに、
「発する者と、受け取る側」
の持つ想いの食い違いが、
トモさんの葛藤の原因であることを感じていた。
同じ暴力や暴言でも、
他人から受けるのと親から受けるのでは、
傷のつき方が天と地ほど異なる。
また言い返すのだって、
他人に反論をするのと親へ反論するのは、
自分を痛めつけるほどのパワーを消耗する。
だからそういったことが起こらないのが、
一番望ましいのだけど「親も人間」なのだ。
仕事でイヤなことがあれば、
無意識に家族に当たってしまうし、
育児で寝不足が続いた母のイライラした感情を、
直に受けてしまうのも家族だ。
いかなるときも、
自分の心をコントロールできる親は、
滅多にいない。
同性の子供には双方の気持ちがわかりあえるゆえ、
頼り甲斐のある子供には特に、
親といえども子供に甘えたい気持ちや、
嫉妬心、ライバル心も起こる。
他人なら離れて、
二度と会わないということもできるだろう。
けれども親子は、なかなかそうはいかない。
だからこそ傷や苦しみが深くなってしまう。
これを「いいこと」だとか「受け入れるべきこと」
と言っているのではなく、
事実としてそうなのだという認識が、
他人にはできるのに、
親子間では難しくなってしまうということだ。
幼少時の親から受けた心の傷を文で読むことで、
蓋をしていた愛された事実を思い出すことができた!
また自分の父を思いやる気持ちも認識できた!
これは本当に嬉しいことだった。
トモさんが父親に恐怖心を覚えたことや、
そうなったいきさつも含めて全て事実だ。
だけど恐怖心に囚われていて、
思うように前へ進むことができないジレンマは、
愛された事実を思い出すことで薄まるのではないだろうか?
まだ若いトモさんは、
望めばこの先どんなことにでも挑戦できる。
やってみたいと思う仕事もあるようだ。
ずっと蓋をしていた
「人生を楽しめ」
という父からの温かいメッセージを呼び覚ますことができた今、
トモさんには、その言葉通り、
自由に前へ進むことを選んでいただきたい。
「楽しい人生」それが叶ったときに、
新たな父子関係が再び訪れるのではないだろうか?
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