なんども会ったことのある人なのに、ドキッとするほど美しい表情を初めて見た。
「この人がこんな表情をするのだ」と思いながら私はホレボレとその人に見惚れていた。
顔の美醜とか、ファッションセンスとかそういうことではない。
笑顔でもないのに、その人の内面の輝きがピカピカと出ていた。
無意識から出る「素」の表情だった。
きっとこの人は今やっていることが、心の底から好きなのだろうと思った。
その人はきっと知らない。今自分がこんなに美しい表情をしていることを。
今度2人で会うことがあれば感じたままを伝えたいと思った。
けれども意識してしまうと「素」が出せなくなるかもしれないから、伝えるべきか?黙っているべきか?
伝えるならどう伝えるのかを、もう少し考えることにする。
そうして恐らくこの表情が出るときが、その人のいちばんの強みを発揮しているときだと思った。
内面の輝きは、その人が長年培ってきたものから発せられる。
皇族や歌舞伎役者のように、幼い頃から受けてきた教育でしか身につかない。
骨の髄まで染み込んでいる表情、所作。
いくら私が真似をしたくても、彼らの手の動きひとつ真似ることはできない。
皇族や歌舞伎役者のような特殊な人たちはさておき、自分たちにも幼いころから身についている素晴らしいものが必ずある。
もう1人、光り輝く人を発見!
私よりずっと若い女性で、数ヶ月前に初めて食事に誘ってみた。
喜んで誘いに応じてくれて、食事をすると食べ物を慈しむように、本当に美味しそうに食べてくれる。
好き嫌いもなく、気取ってもいないのに、とても美しい表情で食べる姿に私は嬉しくなる。
それから何度もそそのかしてお付き合いしてもらっているけれど、毎回この表情は変わらない。
この表情も「素」の顔で、本当に好きなことをしているときにしか出ないと思う。
一緒に食事をしてから知ったことだけど、お互いに美味しいものとお酒が大好きで、旅が好きで……..。
と共通項がいくつかあった。
私の年齢的に周囲の人間はどちらかというと、美味しいものは好きでも摂生が行き届いている人たちが多い。
健康や美容面を考えると、摂生することは大人としてあたりまえだとは思う。
また摂生とは別にこの年齢になると食が細くなるらしく、私の大食ぶりに付いてこれる人もあまりいない。
私はいつまでたってもお酒を飲みながら、食べたいものを、食べたいだけ食べることが本当に楽しい。
これは1人でも楽しいことだし、同じように食べられる人がいてくれたら楽しさもまた違ったものになる。
「私なんてジャンクフードも好きだし、深夜にラーメンも食べちゃいます」
「私だって同じですよ!」と健康を気にする人たちには、ありえない会話をしながら楽しく過ごす。
食いしん坊だけあって、彼女は美味しいものをよく知っている。
スマフォに入っている画像だけでも、美味しさが伝わってくる。
ビールの種類などにも詳しくて「このビール、最近までアメリカでしか飲めなかったんですよ!」と教えてくれたものを飲む。
柑橘系が入っているビールらしく、とても飲みやすい。
そんな話をしているとき、彼女から出てくる笑顔は楽しんでくれていることを疑いようがない。
いろんな活動をしているようだけど、そこに「食」を加えたなら、彼女の右に出るものはないのではないだろうか?
そんな想像をするだけで、ワクワクする。
本当の強みが出て光り輝いているときに限って、本人は知らない。
私からそんな表情は出るのだろうか?出ているとしたら、どんなときなのだろう?
自分の顔がいちばん正直な心を写しているはずなのに、鏡を見ながら過ごすわけにはいかない。
自分に自信がない人に限って、案外強みではない部分を強みにしようとしているのかもしれない。
誰かから「いい顔している」と言われるシーンがあったときは、その瞬間になにをしていたかを覚えておくといい。
自分は大したことがないと思っていることでも、きっとそれはあなたの最大の強みになる。
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