「若造なもんで」と部下に言われて憤慨した友人
「この間さ、普段慕ってくる部下に注意をしたら『すみません、若造なもんで』って返事をされて、イラーーー!ってきた」
友人の話とこらえきれない怒り顔に、私は大爆笑してしまいました。
自分を若造と呼ぶ部下の年齢を聞けば「35歳」という答えが返ってきて、今度は手を叩きながら笑ってしまいました。
確かに私たちからすると一回り違うので若造かもしれないけれど、若造って自分で名乗ることでしょうか?
私の知り合いにも自称「小娘」がいますが、その人も同じような歳です。
飲み会に誘うと「小娘ですが、よろしくお願いします」と返事をするのです。
一緒に仕事をするわけではないので「ずいぶんとトウの立った小娘だこと」と内心思ってスルーしております。(笑)
「しかもだよ、そういう若造に限って自分より目下の人間には、厳しかったり偉そうだったりするんだよーーー!」
と友人は続けます。
若造、小娘は威張りん坊
威張りん坊でしょうね。それはそうでしょう。
上司に「若造」だと名乗って「自分を可愛がって」とコントロールをしているのですから。
「小娘」も「私はあなたよりずっと若いのよ、わかっている?甘やかされて当然よ」という上から目線のコントロールです。
基本は上からだから、一貫して目下にも上からコントロールをします。
「俺は目上で偉いんだからな!わかっているのか?」と。
きっと本人は無意識でしょうが、自分の立ち位置を上か下に変えて、相手を思うようにコントロールしようとしているのは同じことです。
目上の人に若造として慕うのは敬意を払っているのではなく、可愛がらせようとコントロールしているだけです。
私の友人はコントロールを受けているわけですから本能的に怒りますし、コントロールできないとわかった部下は金輪際慕ってはきません。
今後「甘やかし」を要求されなくなるから、上司としては好都合です。
それまで慕っていたのは「コントロールがしやすそうな上司だった」という甘い目論見で、相手を間違えていたことになります。
立ち位置はある日突然変わる
立ち位置の変化は下に兄弟がいる人には、幼少期から起きています。
生まれ順が1番目でも、2番目でも下に兄弟が生まれてしまえば、自分より手のかかる下の兄弟に親の愛情が向かってしまうのは当然です。
突然生まれた自分より愛情をもらえる人間の出現は、幼い心にはとてつもない脅威ですしライバルにもなります。
いくら幼な心に下の兄弟が可愛いと思えていても「愛情を奪われた」という喪失感は、誰にでも発生するのです。
そこで「(大人からは)小さい者が可愛がられる」というすり込みが入ってしまうと、いつまでも小さな者として愛情を争奪しようとします。
また愛情を奪われてしまったと同時にお兄ちゃん、お姉ちゃんとして家族の中で唯一威張れる存在が生まれたわけです。
その幼児性が抜けきらないまま大人になると、目上には小さな者でいて目下には尊大になる傾向があるということ。
また下に兄弟がいなくても就職をしてしばらくは「若いのに関心ね」とか異性の上司からチヤホヤされていたのに、ある日突然自分より後に入った人に注目が行ってしまった経験はありませんか?
私は20代中盤のころ、ある日突然そういうことが職場で起こりました。
「あれ?わ、私じゃないの?」と。
けれども「あー、そういう年齢に私もなっちゃったのね。もう若さで甘えられる歳ではないのだわ」と切り替えました。
まともな年長者はコントロールできません
どれだけ年齢が上の者でも、高校生は高校生なりの精神性を兼ね備えている者として接します。
決して小学生扱いはしません。
小学生扱いをしたのなら、逆にその人をバカにしていることになるからです。
自分から「若造、小娘」と名乗るのは平気でも、他者が口にするときは蔑むときに使う言葉です。
「この若造、小娘は立派でね」とは言わないことくらい、30歳を過ぎた大人なら知っているはずです。
自分を自虐的に呼ぶことで、尊重してもらえたり大切にしてもらえることはありません。
心や肉体をいつまでも若々しく保とうとする努力は自分に向けるもので、他者をコントロールすれば信用を失くしてしまいます。
またまともな年長者ほど、そのような子供だましには引っかかりません。
もしそこでコントロールされてしまう年長者なら、その人もなにかしらの下心のある人ですから、いい狸と狐の化かし合いになるだけです。
健康的な人間関係を構築するためには、自虐的な立場を改めることをお勧めします。
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